ワルドー・フォン・エリック

ワルドー・フォン・エリック：悪役レスラーの素顔と功績

ワルドー・フォン・エリック（本名：ウォルター・ポール・ジーバー）は、1933年生まれ、カナダ出身のプロレスラーです。フリッツ・フォン・エリックの「弟」という設定で、ナチス・ギミックのドイツ人ヒールとして世界中のファンを魅了しました。

デビューから兄弟タッグ結成まで

17歳でプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせたワルドーは、当初、ワルドー・フォン・ジーバーやカール・フォン・ジーバーというリングネームでカナダ各地を転戦。その後アメリカに進出し、フリッツ・フォン・エリックと出会い、兄弟タッグを結成。NWA南部タッグ王座を獲得するなど、その名を轟かせました。

多彩なギミックと挑戦

兄弟タッグ解消後、ワルドーはミスターM、ザ・グレート・ズィム、ザ・グリーン・ホーネットなど、様々な覆面レスラーに変身。その都度、観客を飽きさせないエンターテイナーぶりを発揮しました。素顔に戻ってからは、ウイルバー・スナイダー、ザ・シークといった強豪レスラーたちと激闘を繰り広げました。

WWWFでの活躍

1964年、ワルドーはWWWF（現WWE）に参戦。ブルーノ・サンマルチノの持つWWWF世界ヘビー級王座に3度挑戦し、時間切れ引き分けやリングアウト負けを演じました。その後、ジン・キニスキーとのタッグでUSタッグ王座を獲得。ジョニー・バレンタインとの対戦では、ベビーフェイスとしての実力も発揮しました。

フォン・エリック兄弟の再結成と日本での活躍

1966年、フリッツが設立したNWAビッグタイム・レスリングで、ワルドーは再びフリッツとフォン・エリック兄弟を再結成。NWAアメリカン・タッグ王座を2度獲得しました。同年、日本プロレスの『ワールドリーグ戦』に「ドイツ代表」として初来日。ザ・デストロイヤーに次ぐ活躍を見せ、日本のファンを熱狂させました。その後も国際プロレスに来日し、ハンス・シュミットとのタッグでナチス・ギミックを披露しました。

世界各地でのタイトル獲得

1960年代末にはオーストラリアに遠征し、IWA世界タッグ王座を獲得。帰国後もNWAトライステート地区でUSタッグ王座を獲得するなど、世界各地でその実力を示しました。

シングルプレイヤーとしての円熟期

1970年代に入ると、ワルドーはシングルプレイヤーとして活動。NWF世界ヘビー級王座を2度獲得するなど、その存在感を示しました。日本プロレスにも再来日し、UNヘビー級王座に挑戦しています。その後もオーストラリアでNWA豪亜ヘビー級王座を獲得するなど、精力的に活動しました。

引退と晩年

1979年に引退後、ワルドーは地元オンタリオのインディー団体ICWに参画。後進の育成に尽力し、ブライアン・キャノン、エリック・ヤングといった才能を育て上げました。2009年7月5日、75歳でその生涯を閉じました。

ワルドー・フォン・エリックは、悪役レスラーとして観客を沸かせながらも、その実力とエンターテイナー精神でプロレス界に大きな足跡を残しました。

得意技

ブリッツクリーグ・ダイブ
プロシアン・ドロップ
* アイアン・クロー

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