七里田温泉

七里田温泉

大分県竹田市久住町に位置する七里田温泉は、その名の通り七里の田園風景の中に湧き出る温泉です。近隣の長湯温泉と同様に、炭酸泉としての高い泉質と効能で知られ、古くから湯治場として利用されてきました。

概要

七里田温泉は、久住高原の一角に位置し、地元住民らで組織された法人が運営する「木乃葉の湯」と「下湯（ラムネの湯）」の2つの日帰り温泉施設があります。これらの温泉施設に加えて、民宿も備わっており、山間の静かな環境で温泉を楽しむことができます。

七里田温泉を含む旧久住町内の温泉は「久住高原温泉郷」と総称され、竹田市の他の地域にある長湯温泉や竹田・荻温泉とともに「竹田温泉群」として国民保養[[温泉地]]に指定されています。

歴史

七里田温泉の歴史は非常に古く、弥生時代や古墳時代から温泉が人々の生活に密接に関わっていたと考えられています。奈良時代の『豊後国風土記』には、七里田温泉や長湯温泉と思われる記述が残されています。鎌倉時代から戦国時代にかけては、この地を治めていた朽網氏が湯治に利用していました。天正5年（1577年）には、朽網鑑康が嫡子に対し、温泉を大切にするようにという教訓状を与えています。江戸時代には、岡藩の藩主である中川久清が御茶屋を建てて湯治に利用し、湯守を置いて温泉の管理を行わせていました。

明治時代に入っても温泉街としての賑わいは続きましたが、大分県道30号線から外れたことや、戦時体制の影響、昭和14年の大火災により衰退しました。しかし、平成10年（1998年）に日帰り温泉施設が整備され、再び多くの人が訪れるようになりました。

近年では、2016年4月の地震や2022年1月の日向灘地震により、下湯の湯量が減少して一時休業を余儀なくされましたが、その度に復旧を果たしています。特に2023年7月には、下湯がリニューアルオープンし、炭酸ガスによる事故防止対策やバリアフリー化が施され、より安全で快適に利用できるようになりました。

泉質

七里田温泉の泉質は、マグネシウム・ナトリウム・炭酸水素塩泉で、炭酸を多く含んだ適温の湯が豊富に湧出しており、源泉かけ流しで楽しむことができます。

源泉温度：木の葉の湯56℃、下湯37℃
泉色：木の葉の湯は黄白濁色、下湯は無色

各施設

木乃葉の湯

泉質はマグネシウム・ナトリウム－炭酸水素塩硫酸塩泉で、旧泉質名では含芒硝重炭酸土類泉とされていました。泉温は54.2℃、pH6.8です。陽イオン、陰イオン、遊離成分、溶存ガス成分などが詳細に分析されており、特にマグネシウム、ナトリウム、カルシウム、炭酸水素などが豊富に含まれています。

下湯温泉共同浴場

温度37.5℃の炭酸泉で、炭酸含有量は1,250mgと非常に高濃度です。この高濃度の炭酸ガスにより、入浴時には換気に充分注意が必要です。過去にはテレビ番組で、お湯に浮かべた蝋燭の炎が短時間で消える実験が行われたこともあります。

効能

七里田温泉は、入浴だけでなく飲用も可能で、様々な効能が期待できます。

入浴

神経痛
筋肉痛
五十肩

飲用

慢性消化器疾患
糖尿病
肝臓病

※ 効能は万人に対してその効果を保証するものではありません。

アクセス

JR九州豊肥本線豊後竹田駅から、大野竹田バスで30 - 40分。
須崎または三船停留所下車、徒歩約20分。
* 平日は1時間に1本運行、土曜・休日は便数が減少します。

まとめ

七里田温泉は、歴史ある温泉地でありながら、常に新しい変化を取り入れ、訪れる人々を癒し続けています。炭酸泉の効能を存分に感じながら、静かな山間の自然を満喫できる場所です。

もう一度検索