三原紹心

三原紹心

三原紹心（みはら じょうしん）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。高橋紹運の家臣であり、本郷城（三原城）主を務めました。紹心は法名です。

経歴

三原氏は、筑後十五城の一角に数えられる筑後国の国人でした。大蔵氏族高橋氏の別流であり、高祖山城の原田氏と同族にあたります。

筑後における大友氏の直参家臣、通称「高一揆衆」「二四頭」の一人として知られています。豊饒永源(美作入道)と共に筑後守護代官として、大友氏の軍事、行政を担当した有力な被官であり、所領の打渡しなど重要な職務に携わりました。天文年間のものと思われる大友義鑑の高良山宛の「高良山鏡山文書」によれば、三原和泉守が高良社造営奉行を命じられたとされています。

天文19年（1550年）の二階崩れの変で大友義鑑が死去した後、大友義鎮に義鑑の死を弔うため薙髮の願いを出し、義鎮から昌林の名を与えられました。同時に三原氏の家督を子・民部少輔宗琢に譲りました。

天正14年(1586年)の薩摩国の島津氏の北伐（豊薩合戦）では、主君である高橋紹運や子・前清右衛門尉宗休と共に岩屋城に籠城し、壮絶な戦いを繰り広げました（岩屋城の戦い）。この戦いで紹心は戦死しました。

「行年九十有餘」と「柳河藩享保八年藩士系図・上」の三原伊兵衛系図に記されています。この戦いでは、子の宗休も戦死を遂げました。

孫の三原種久は生き残り、紹運の子である立花直次に仕えました。

伝承

文武両道の将であったと伝えられています。書籍や伝記によっては、「岩屋城の戦いにおいてきらびやかな入道姿に、四尺余りの大太刀を構え奮戦するが、衆寡敵せず、最後は辞世の句を柱に書き付けると、島津軍に突撃し、島津兵もろとも谷底へ落ちたとされる。享年39。彼の死によって筑後三原氏は滅亡した」という逸話が紹介されているものもあります。

しかし、「柳河藩享保八年藩士系図・上」の三原伊兵衛系図によると、紹心の家系はその後も三池藩を経て柳河藩で存続しています。また、紹心は90代で戦死しており、紹心の息子である三原清右衛門尉宗休も岩屋城の戦いで戦死していることから、この伝承は紹心と三原清右衛門尉宗休との混同である可能性が高いと考えられています。

まとめ

三原紹心は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、高橋紹運の家臣として、また筑後国の国人として重要な役割を果たしました。岩屋城の戦いでの壮絶な戦死は、後世に語り継がれることとなりました。

参考文献

柳川市史編集委員会編『柳川歴史資料集成第二集 柳河藩享保八年藩士系図・上』（福岡県柳川市、1996年発行）
矢野一貞 著 ほか『『筑後国史』』筑後遺籍刊行会〈中巻〉、1927年、200頁。doi:10.11501/1175327。
吉永正春『筑後戦国史』（新装改訂版）海鳥社、2010年。ISBN 9784874157718。
橋本操六「大友義鎮の剃髪と家臣団の動向」『大分縣地方史』第118巻、大分県地方史研究会、1985年6月、13-26頁。

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