三木顕綱

三木顕綱（みつき あきつな）とは

三木顕綱は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、姉小路良頼の次男として生まれました。兄に頼綱、姉妹に斎藤信利室がいます。受領名は豊後守で、次郎右衛門尉とも称しました。

生涯

1569年、兄の頼綱が武田氏の傘下に入った後、顕綱は武田氏から離反しました。これに対し、武田信玄は美濃苗木城主の遠山直廉に命じ、飛騨益田郡へ侵攻させました。その結果、濃飛国境にあった大威徳寺の戦いが勃発し、大威徳寺は焼失しました。

その後、三木姉小路氏は鍋山氏を臣下とし、顕綱は鍋山氏の養子となり鍋山城を領有します。さらに義父の鍋山安室を毒殺し、義母の小峯の方とその実子である鍋山左近大夫を追放しました。これにより、三木姉小路氏は鍋山氏を名実共に乗っ取り、勢力を拡大しました。

顕綱は、姉小路氏の後継者である姉小路信綱の補佐・後見人となり、兄の頼綱の勢力拡大に貢献しました。

しかし、1583年、八日町の戦いの三ヶ月後、顕綱は兄の頼綱から謀反の疑いをかけられ、刺客によって妻と共に暗殺されました。同時期に、頼綱の嫡男である信綱も誅殺されています。

顕綱の死後、頼綱は自身の息子である姉小路季綱（鍋山元綱）を鍋山氏の後継者とし、鍋山城には頼綱の次男の姉小路秀綱が入りました。頼綱の隠居後、秀綱が後継者となり松倉城へ移動、鍋山城には季綱が城主となりました。

人物

顕綱は、貪欲で兄と折り合いが悪かったという伝承が残っています。また、嫡男である姉小路信綱の後見人であったことから、ある程度有能な人物であったと推測できます。鍋山利高は変後も姉小路頼綱に従いましたが、追放された鍋山左近大夫は後に飛騨征伐浪人衆として金森氏に従いました。

顕綱の暗殺は、頼綱からの読みにくい書簡を読んでいる最中に行われたと伝えられています。書簡は乱雑に書かれており、何度も巻き戻して解読しようとしている最中に、刺客の二人に襲われたとされています。

顕綱夫婦の供養塔は雲龍寺にあります。また、お歯黒蛇（おはぐろのへび）という伝説も遺っています。

参考文献

飛騨国治乱記

外部リンク

鍋山城 －飛騨の城ー - 秋田の中世を歩く
鍋山城 - 古城盛衰記
鍋山城　築城した鍋山安室と小峯の方

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