上落合 (さいたま市)

さいたま市中央区上落合：歴史と発展が織りなす街

上落合は、埼玉県さいたま市中央区に位置する町名です。かつては足立郡与野領に属する上落合村として存在し、江戸時代には28戸ほどの小さな集落でした。歴史を紐解くと、1591年（天正19年）より旗本粟生氏の知行となり、その後大宮氷川神社領を経て、旗本朝比奈氏や牧野氏の相給地となりました。明治時代には浦和県、その後埼玉県の管轄となり、1889年（明治22年）の町村制施行により、与野町の大字上落合となりました。


その後、1958年（昭和33年）に与野町が市制施行し与野市となり、2001年（平成13年）には浦和市、大宮市との合併によりさいたま市の一部となりました。2003年（平成15年）にはさいたま市が政令指定都市に移行し、現在の中央区に属することとなりました。

交通の要衝、そして再開発

上落合の大きな特徴として、交通の便の良さが挙げられます。JR東北新幹線と埼京線が通過し、国道17号（中山道・与野大宮道路）が南北に貫通しています。首都高速道路も地下を通っており、北与野駅は国道17号との交点に位置しています。この地の利を活かし、1985年（昭和60年）の埼京線北与野駅開業を契機に、大規模な再開発事業が推進されました。

再開発事業と街の変貌

北与野駅周辺では、「北与野駅北口再開発」と「北与野駅南口再開発」の二つの大規模な事業が行われました。特に北口再開発では、「アルーサ」と呼ばれる複合施設が建設され、商業施設やオフィス、住宅などが一体となった街が形成されました。アルーサは、北斗七星を意味する名称で、街の繁栄を願って名付けられました。


アルーサA館には、当初結婚式場や宿泊施設が入居していましたが、現在は東京出入国在留管理局さいたま出張所（移転済）、でんきち本社、聖学院大学総合研究所などが入居しています。アルーサB館には、さいたま市営駐車場や、安楽亭本社などのオフィス、商業施設が入居しています。


南口再開発では、「ポルテ29」や「ノースピア上落合」といった住宅・商業施設が整備され、高層マンション「びゅうサイトタワー」も建設されました。また、1976年竣工の日本初のタワーマンションの一つである「与野ハウス」も、このエリアに存在しています。これらの再開発事業によって、上落合は近代的な街並みに生まれ変わりました。

教育施設と生活環境

上落合には、さいたま市立上落合小学校、さいたま市立下落合小学校などの学校、上落合公園、上落合北公園などの公園、そして保育園や幼稚園など、教育・保育施設が充実しています。また、公民館や郵便局などの公共施設も整備されており、生活環境も良好です。国際学院埼玉短期大学や淑徳与野中学・高等学校の一部も上落合に所在しています。

まとめ

上落合は、歴史と近代開発が融合した街です。古くからの歴史を受け継ぎながらも、交通の利便性を活かした再開発によって発展を続け、住みやすく、魅力的な街へと進化を遂げています。今後も、その発展は続くでしょう。

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