下田町 (鹿児島市)

下田町（しもたちょう）

鹿児島県鹿児島市に位置する下田町は、北部地域に広がる町です。2020年10月1日現在のデータでは、人口2,412人、世帯数は890世帯となっています。この町には、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つである「関吉の疎水溝」があり、歴史的にも重要な場所です。

地理

下田町は、鹿児島市の北部、稲荷川の中流域に位置しています。周囲は川上町、坂元町、伊敷町、西伊敷、伊敷台、下伊敷町、吉野町などと接しており、稲荷川流域に盆地が広がっています。町の中心部を鹿児島県道25号鹿児島蒲生線が南北に走り、南部からは鹿児島県道209号帯迫下田線が東に分岐しています。また、町域の西部には九州自動車道が通っています。

河川

町内には、稲荷川が流れています。

歴史

下田の成立

下田という地名は、南北朝時代から確認されており、当時は薩摩国鹿児島郡下田村と呼ばれていました。1358年の記録には、島津氏久が山田諸三郎忠経に下田村の地頭得分を安堵したと記されています。

近世の下田

江戸時代には、薩摩国鹿児島郡の遠名に区分されていました。村高は時代によって異なり、「天保郷帳」や「郡村高辻帳」では282石余、「三州御治世要覧」では510石余と記録されています。1870年に坂元村に編入されましたが、1881年に再び分村し、鹿児島郡下田村となりました。1879年には下田に下高小学が開設されましたが、1893年に川上尋常高等小学校に統合されました。

町村制施行以後の下田

1889年の町村制施行により、下田村は吉野村の大字「下田」となりました。1934年には吉野村が鹿児島市に編入され、同時に大字下田は廃止され、新たに鹿児島市の町「下田町」が設置されました。2005年には住居表示の実施に伴い、下田町の一部が伊敷台七丁目となり、2015年には吉野地区の住居表示実施により、下田町の一部が吉野一丁目となりました。

町域の変遷

下田町は、歴史の中で何度か行政区分の変更を経験しています。

人口

1995年以降の人口推移を見ると、社会情勢の変化とともに人口の変動が見られます。

文化財

世界文化遺産

• - 関吉の疎水溝

- 江戸時代末期に薩摩藩主島津斉彬によって建設された水路で、集成館事業の動力源として利用されました。現在は農業用水としても利用されています。この疎水溝は、2003年に鹿児島市指定文化財となり、2013年には国の史跡「旧集成館」に追加指定され、2015年に世界遺産に登録されました。

施設

公共

• - 下田公園
• - 七窪町公民館

郵便局

• - 鹿児島下田郵便局

寺社

• - 霧島神社
• - 小鷹神社

その他

• - 七窪水源地（土木学会選奨土木遺産）
• - 南方新社本社

小・中学校の学区

下田町内の児童・生徒は、指定された市立小・中学校に通学します。

交通

道路

• - 高速自動車国道

- 九州縦貫自動車道鹿児島線（九州自動車道）

• - 主要地方道

- 鹿児島県道25号鹿児島蒲生線

• - 一般県道

- 鹿児島県道209号帯迫下田線

参考文献

• - 鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅰ』(1969年)
• - 鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅱ』(1970年)
• - 南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』(2015年)
• - 「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」(1983年)
• - 芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』(1998年)
• - 有田忠雄、河口貞徳、村田凞、稲葉行雄、村野守治、四本健光、紀野健一郎『鹿児島のおいたち』(1955年)

関連項目

• - 下田町 (曖昧さ回避)

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