中国囲棋協会

中国囲棋協会：中国囲碁界の中心

中国囲棋協会は、中国における囲碁の普及、発展を担う組織です。プロ棋士の育成、棋戦の開催、国際交流など、その活動は多岐にわたります。

歴史

成立期

中華人民共和国成立後、囲碁は体育省の管轄下となり、国家体育運動委員会によって普及活動が推進されました。副首相の陳毅や強豪棋士の過惕生らが中心となり、学校教育を含めた囲碁の普及・教育活動が行われました。1956年には全国囲碁模範試合が開催され、1957年には囲碁規則が制定されるなど、組織的な活動が開始されました。1959年には地域ごとの合宿訓練隊、1961年には国家集中訓練隊が組織され、棋士の育成が本格化しました。また、1957年から始まった全国個人戦では、第1回に過惕生が優勝し、1960年代には陳祖徳らが活躍しました。1962年には中国囲棋協会が設立され、名誉主席に陳毅、主席に国家体育委員会副主任の李夢華が就任しました。1964年には段位制が導入され、過惕生、陳祖徳、呉淞笙、劉棣懐の4人が五段に認定されました。対外的には、1960年から日本との囲碁交流が始まり、陳祖徳が日本の九段棋士に勝利するなど、レベルアップが進みました。1963年には陳毅に日本棋院と関西棋院から名誉七段が贈られました。

プロ化と発展

文化大革命の影響で、囲碁の活動は一時中断し、国家集中訓練隊も解散しました。しかし、1972年に訓練隊が復活し、日中囲碁交流も再開されました。陳毅の死去後、国務院副総理の方毅が名誉主席に就任しました。1978年からは「新体育教育」誌後援の「新体育杯」が開始され、聶衛平がトップ棋士として活躍を始めました。聶衛平は日中囲碁交流でも好成績を収め、1979年の第1回世界アマチュア囲碁選手権戦で優勝し、その実力を世界に示しました。1982年にはプロ制度と新たな段位制度が導入され、実績のあった陳祖徳、呉淞笙、聶衛平の3人が九段に認定されました。3名は1983年に国家体育委員会から体育運動栄誉章を授与されました。1984年から始まった日中スーパー囲碁では、聶衛平らの活躍により、中国囲碁界が日本と肩を並べるレベルに達したことが示されました。

1986年には国家少年隊が組織され、有望な少年たちが北京に集められて訓練を受けました。第1期生には、常昊、周鶴洋、羅洗河、王磊らがおり、彼らはその後、中国囲碁界の中核を担う棋士として活躍しました。

現在

1992年に設立された中国棋院が、囲碁を含む複数のゲームを統括しています。1995年には馬暁春が東洋証券杯世界選手権戦と富士通杯の二つの世界選手権で優勝しました。また、1995年には点数制が導入され、棋士のランキングが作成されるようになりました。1998年には中国初の世界選手権として、春蘭杯世界囲碁選手権戦が創設されました。1999年に始まった中国囲棋甲級リーグ戦・乙級リーグ戦には、韓国、台湾、日本の棋士も参加しています。2000年にLG杯世界棋王戦で優勝した兪斌は、同年の全国優秀運動員十傑にも選ばれました。2017年には、人工知能AlphaGoにプロの名誉九段が授与されました。

制度・組織

最高機構として全国委員会、執行機関として常務委員会、日常業務を行う事務局が置かれています。地域には、北京、上海、天津の特別市分会、各省分会、自治区分会、解放軍分会があります。各分会の下には、文化宮、青年宮、少年宮、アマチュア学校、運動学校などが設けられています。また、各地に囲碁協会があり、段位認定を行っていますが、五段以上の段位は中国囲棋協会でのみ認定されます。

役員

現在の主席は王汝南、顧問は陳祖徳、副主席は聶衛平、華以剛、羅建文などが務めています。副主席には、実務担当者の他に、各地の名士が名誉職として就任することがあります。

参考文献

陳祖徳「中国囲棋史」中国統計出版社 1999年
中野謙二「囲碁中国四千年の知恵」創土社 2002年

関連項目

日本棋院
関西棋院
台湾棋院
韓国棋院
香港囲碁協会
応昌期

外部リンク

* 中国囲棋協会

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