中山忠頼

中山忠頼（なかやま ただより）は、江戸時代後期に活躍した公家です。彼は、中山忠能の父であり、孝明天皇の側室であった中山慶子の祖父、そして明治天皇の曽祖父にあたる人物として、歴史に名を残しています。

官職と位階

中山忠頼は、安永8年（1779年）に従五位下に叙位されたのを皮切りに、順調に昇進を重ねました。以下に、彼の官職と位階の変遷を『公卿補任』に基づき詳細に示します。

安永8年（1779年）1月5日：従五位下叙位
安永10年（1781年）1月12日：従五位上昇叙
天明元年（1781年）10月3日：侍従に任官
天明3年（1783年）2月8日：正五位下昇叙、阿波権介兼任
天明4年（1784年）12月1日：元服、昇殿を許される
天明5年（1785年）2月25日：従四位下昇叙
天明5年（1785年）8月17日：左近衛権少将に任官
天明7年（1787年）1月25日：従四位上昇叙
寛政元年（1789年）11月19日：正四位下昇叙
寛政4年（1792年）10月27日：右近衛権中将に任官
寛政8年（1796年）11月28日：蔵人頭兼任
寛政8年（1796年）12月1日：禁色を許される
寛政8年（1796年）12月19日：正四位上昇叙
寛政10年（1798年）5月7日：参議に補任
寛政10年（1798年）11月25日：従三位昇叙
寛政12年（1800年）1月8日：正三位昇叙
享和3年（1803年）12月26日：権中納言に任官
文化元年（1804年）1月11日：従二位昇叙
文化4年（1807年）2月2日：正二位昇叙
文化12年（1815年）2月26日：権大納言に任官
文政3年（1820年）1月29日：権大納言を辞任

これらの官職と位階の変遷から、彼が幕末の朝廷において重要な役割を果たしていたことが窺えます。

系譜

中山忠頼の家系は以下の通りです。

父：中山忠尹（1756-1810）
母：三条実顕の娘
妻：正親町三条綱子 - 正親町三条実同の娘
男子：中山忠能（1809-1888）
生母不明の子女
男子：園基万
女子：勘解由小路光宙室

彼の息子である中山忠能は、明治維新において重要な役割を果たし、娘の中山慶子は、孝明天皇の側室として明治天皇を産みました。このように、中山忠頼の血筋は、日本の近代史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

中山忠頼は、公家として朝廷に仕えながら、その血筋を通じて日本の歴史に深く関わった人物です。彼の生涯は、江戸時代後期から明治時代にかけての激動の時代を背景に、日本の近代化に貢献した人々の足跡を今に伝えています。

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