中谷雄英

中谷雄英

中谷雄英（なかたに たけひで、1941年7月9日 - ）は、日本の柔道家、柔道指導者であり、講道館9段という段位を持つ。

人物

広島県広島市に生まれ、柔道一家で育つ。12歳から柔道を始め、広島市立袋町小学校、広島市立国泰寺中学校、山陽高等学校、広陵高等学校、明治大学を卒業。広陵高校時代には「広島の姿三四郎」と称された。二段モーションからの素早い左小外刈りを武器とし、背負投、足技、寝技など、オールラウンドな技術と堅実な柔道スタイルで知られている。

経歴

明治大学に進学するも、当時は村井正芳、鳥海又五郎、坂口征二、関勝治といった強豪選手が揃っていたため、団体戦のレギュラーにはなかなか入れなかった。しかし、柔道が初めて正式種目となった1964年の東京オリンピックの軽量級（68kg以下）の代表選考において、内に秘めた闘志と実力で代表の座を掴み取った。

東京オリンピックでは、日本の柔道チームの先陣を切り、全試合を一本勝ちという完全勝利で、柔道競技史上初の金メダルを獲得。試合時間の合計はわずか9分間という圧巻の結果であった。新装されたばかりの日本武道館に、柔道初の日の丸を掲げた。しかし、当時は無差別級こそが柔道の真髄であるという風潮が強く、無差別級で神永昭夫がアントン・ヘーシンクに敗れたこともあり、中谷の金メダルは十分に祝福されたとは言えなかった。この悔しさをバネに、その後、体重無差別の全日本選手権に三度出場し、柔道家としての意地を見せている。

明治大学卒業後は三菱レイヨンに5年間勤務。その後、西ドイツ代表ナショナルコーチに就任し、ミュンヘンオリンピックまでの3年間を指導。軽重量級のバルト、重量級のグラーンといったメダリストを育成した。

1973年からは広島に戻り、家業の宝石店を経営する傍ら、全日本柔道連盟理事、広島県柔道連盟理事長などの要職を歴任し、後進の指導にあたっている。

栄誉

競技振興への貢献が認められ、2003年に藍綬褒章、2011年に旭日双光章を受章。2012年4月28日には、講道館創立130周年記念式典にて9段に昇段し、赤帯を授与された。2021年には文化功労者に選ばれている。

主な戦績

1963年 - プレオリンピック大会 軽量級 2位
1964年 - モスクワ国際 軽量級 優勝
1964年 - 東京オリンピック 軽量級 優勝
1966年 - 選抜体重別 中量級 優勝
1967年 - 世界選手権 軽中量級 3位

外部リンク

中谷雄英-変幻自在の足技
* 中谷雄英 - JudoInside.com のプロフィール（英語）

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