中部方面特科連隊

中部方面特科連隊について

中部方面特科連隊は、兵庫県姫路市の姫路駐屯地に連隊本部を置く、中部方面隊直轄の野戦特科部隊です。この連隊は、2024年3月、陸上自衛隊の部隊改編に伴い、第3特科隊、第10特科連隊、第13特科隊、そして中部方面特科隊が廃止・統合され、新たに編成されました。方面隊直轄の特科連隊としては、最後に編成された部隊となります。

編成の特徴

この連隊の大きな特徴は、全ての大隊が3個中隊を基幹として編成されている点です。さらに、各駐屯地には情報中隊の小隊が配置されています。これにより、射撃中隊の数では現存部隊の中で最大規模となり、連隊規模としても、5個大隊11個射撃中隊を擁する第2特科連隊とほぼ同等です。ただし、各部隊の役割には違いがあり、中部方面特科連隊の全大隊は、師団や旅団に対する直接的な火力支援を目的としています。

他部隊との比較

第2特科連隊のような全般支援大隊は持たない一方で、各直協大隊が2個中隊編成である第2特科連隊、西部方面特科連隊、東北方面特科連隊と比較して、より高い直接火力支援能力を有しています。連隊長は姫路駐屯地司令を兼任し、第3大隊長は日本原駐屯地司令、第4大隊長は松山駐屯地司令を兼任します。

沿革

• - 2024年3月21日：第3特科隊、第10特科連隊、第13特科隊、中部方面特科隊を廃止・統合し、中部方面特科連隊が編成完結。
• - 連隊本部などが姫路駐屯地に新編され、連隊長が姫路駐屯地司令に指定。
• - 第2特科大隊が豊川駐屯地に新編。
• - 第3特科大隊が日本原駐屯地に新編され、大隊長が駐屯地司令に指定。
• - 第4特科大隊が松山駐屯地に新編され、大隊長が駐屯地司令に指定。

編成詳細

以下は、中部方面特科連隊の編成詳細です。特に記載がない場合は姫路駐屯地に所在します。

• - 中部方面特科連隊本部

- 中部方面特科連隊本部中隊：「中方特-本」82式指揮通信車
- 情報中隊：「中方特-情」
- 第1情報小隊
- 第2情報小隊（豊川駐屯地）
- 第3情報小隊（日本原駐屯地）
- 第4情報小隊（松山駐屯地）：対砲レーダ装置 JTPS-P16、気象測定装置 JMMQ-M5

• - 第1特科大隊

- 第1特科大隊本部
- 本部管理中隊：「中方特-1-本」82式指揮通信車
- 第1射撃中隊：「中方特-1-1」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第2射撃中隊：「中方特-1-2」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第3射撃中隊：「中方特-1-3」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車

• - 第2特科大隊（豊川駐屯地）

- 第2特科大隊本部
- 本部管理中隊：「中方特-2-本」82式指揮通信車
- 第4射撃中隊：「中方特-2-4」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第5射撃中隊：「中方特-2-5」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第6射撃中隊：「中方特-2-6」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車

• - 第3特科大隊（日本原駐屯地）

- 第3特科大隊本部
- 本部管理中隊：「中方特-3-本」82式指揮通信車
- 第7射撃中隊：「中方特-3-7」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第8射撃中隊：「中方特-3-8」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第9射撃中隊：「中方特-3-9」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車

• - 第4特科大隊（松山駐屯地）

- 第4特科大隊本部
- 本部管理中隊：「中方特-4-本」82式指揮通信車
- 第10射撃中隊：「中方特-4-10」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第11射撃中隊：「中方特-4-11」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車
- 第12射撃中隊：「中方特-4-12」155mmりゅう弾砲 FH70、中砲けん引車

整備支援部隊

中部方面後方支援隊第308特科直接支援中隊「308特直支」が、連隊の整備支援を担当します。

• - 第1特科直接支援小隊：第1特科大隊を支援（姫路駐屯地）。
• - 第2特科直接支援小隊：第2特科大隊を支援（豊川駐屯地）。
• - 第3特科直接支援小隊：第3特科大隊を支援（日本原駐屯地）。
• - 第4特科直接支援小隊：第4特科大隊を支援（松山駐屯地）。

主要装備

• - 155mmりゅう弾砲 FH70
• - 中砲けん引車
• - 対砲レーダ装置 JTPS-P16
• - 対迫レーダ装置 JMPQ-P13
• - 82式指揮通信車
• - 1/2tトラック / 73式小型トラック
• - 1 1/2tトラック / 73式中型トラック
• - 3 1/2tトラック / 73式大型トラック
• - 12.7mm重機関銃
• - 89式5.56mm小銃
• - 9mm拳銃

警備隊区

警備隊区は以下の通りです。

• - 連隊本部直轄：兵庫県神戸市、姫路市
• - 第1特科大隊：兵庫県（連隊直轄、阪神地区、北播丹波地方、淡路島除く）

- 本部管理中隊：福崎町、市川町、神河町（3町）
- 第1射撃中隊：朝来市、養父市、豊岡市、香美町、新温泉町（3市2町）
- 第2射撃中隊：たつの市、相生市、赤穂市、宍粟市、太子町、上郡町、佐用町（4市3町）
- 第3射撃中隊：明石市、高砂市、加古川市、稲美町、播磨町（3市2町）

• - 第2特科大隊：愛知県尾張地方（第6施設群長指揮下）
• - 第3特科大隊：岡山県
• - 第4特科大隊：愛媛県（宇和島地区を除く）

- 本部管理中隊：松山市、東温市、伊予市、松前町、砥部町、久万高原町（3市3町）
- 第10射撃中隊：西条市、新居浜市、四国中央市（3市）
- 第11射撃中隊：今治市、上島町（1市1町）
- 第12射撃中隊：八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町（3市2町）

※中部方面特科連隊長の指揮下で第8高射特科群が兵庫県北播丹波地方を、第3高射特科大隊が淡路島を担任。
第4大隊長の指揮下で第14高射特科隊が愛媛県宇和島地区を担任。

関連情報

• - 関連項目:

- 第1特科団 / 第2特科団
- 東北方面特科連隊 / 東部方面特科連隊 / 西部方面特科連隊 / 特科教導隊

• - 外部リンク:

- 姫路駐屯地
- 豊川駐屯地
- 日本原駐屯地
- 松山駐屯地

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