丸の内 (名古屋市)

丸の内（名古屋市）

丸の内は、愛知県名古屋市中区および東区に位置する町名で、名古屋を代表するビジネス街、官庁街です。住居表示の実施により、中区丸の内一丁目から三丁目、東区丸の内三丁目が現行の行政地名となっています。丸の内地区の大部分は中区が管轄していますが、ごく一部の東区丸の内三丁目は道路や河川、鉄道用地のため、人が居住していません。

概要

丸の内は、名古屋城の南側に位置し、東を久屋大通、西を堀川、南を桜通、北を外堀通に囲まれたエリアです。周辺には、西に名駅、南に錦・栄といった繁華街が隣接しています。1966年の住居表示実施により町丁として設置されましたが、その起源は江戸時代初期の清洲越しに遡ります。清洲越しで整備された碁盤目状の区画は現在も維持されており、名古屋東照宮や那古野神社など、江戸時代からの歴史を伝える施設も残っています。

現在の丸の内は、北側に位置する官庁街の三の丸地区の影響もあり、官庁街、金融街、ビジネス街として発展しています。太平洋戦争後の復興計画により、伏見通、大津通、外堀通、桜通、久屋大通などの幹線道路が整備され、久屋大通には公園も設けられました。また、外堀通の上には名古屋高速都心環状線が建設され、丸の内出口・入口を通じて東名高速道路や名神高速道路へのアクセスが容易になりました。さらに、地下鉄名城線、鶴舞線、桜通線が地区内に乗り入れ、丸の内駅、久屋大通駅が設置され、名古屋駅、栄駅などの主要ターミナル駅へのアクセスも便利です。近年は高層マンションの建設も進み、住宅地としての人気も高まっています。

歴史

丸の内が町として発展し始めたのは、1610年の徳川家康による清洲越しからです。堀川の開削により資材の運搬が容易になり、この地域を含む清洲越しの町割が短期間で形成されました。清洲から移ってきた豪商たちが店を構え、賑わいを見せました。特に本町通は名古屋一の繁華街として栄え、松坂屋の前身である伊藤呉服店の本店などが軒を連ねていました。

1660年の大火で大きな被害を受けたものの、防災の観点から道幅が拡張されました。明治時代に入ると、名古屋城内三の丸にあった三之丸東照宮と天王社がこの地域に移転しました。太平洋戦争で空襲の被害を受けましたが、戦後の復興計画で区画整理が行われ、1966年に住居表示が実施されました。1973年のタキヒヨー丸の内ビル建設を皮切りに、企業のビル建設が相次ぎ、現在では高層ビルが立ち並ぶビジネス街となっています。1981年には地下鉄鶴舞線、1989年には桜通線が開業し、公共交通の利便性が向上しました。名古屋高速都心環状線も開通し、交通の要衝としての役割を担っています。

沿革

1966年3月30日：住居表示実施に伴い、中区丸の内一〜三丁目が成立。
1976年1月18日：東区丸の内三丁目が成立。

町名について

「丸の内」という名称は、本来は城の内側を意味しますが、この地域は名古屋城外堀の南側に位置しています。この町名は住居表示実施の際に新しく付けられたもので、清洲越しからの古い町名は失われました。そのため、「丸の内」という名称が広域地名として一般的に使われることは少なく、地下鉄丸の内駅周辺を指すことが多いです。

世帯数と人口

2019年2月1日現在：世帯数と人口は変動しています。

施設・建物

丸の内には、多くの企業ビルが建ち並ぶ一方で、江戸時代から続く施設も残っています。

丸の内一丁目：在名古屋ブラジル総領事館、名古屋フコク生命ビル、アビバ本社、スガキコシステムズ本社など。
丸の内二丁目：名古屋銀行協会会館、アイリス愛知、東建本社丸の内ビル、東建コーポレーション本社、ナスラック本社、アルペン丸の内タワー、アルペン本社、アパヴィラホテル名古屋丸の内駅前、丸の内KSビル、名古屋東京海上日動ビル、名古屋東照宮、那古野神社、河文、タマディック名古屋ビルなど。
丸の内三丁目：カナダ領事館、名古屋市立丸の内小学校、中日病院、日本郵政グループ名古屋ビル、日本郵便株式会社東海支社、ゆうちょ銀行東海エリア本部、かんぽ生命保険東海エリア本部、日本郵政株式会社中部施設センター、市営交通資料センター、損保ジャパン名古屋ビル、OSプラザビル、ZIP-FM本社、日本メナード化粧品本社ビル、歯の博物館、愛知県庁大津橋分室、田辺三菱製薬東海支店、本町公園など。

公立小中学校の学区

丸の内小学校：丸の内地区全域。
丸の内中学校：丸の内小学校の卒業生が進学する中学校。

2023年度に名城小学校と御園小学校が統合され、旧名城小学校の校舎が丸の内小学校として新設されました。この統合により、丸の内小学校の学区は丸の内中学校の学区と一致しています。

交通

公共交通機関

鉄道：丸の内駅（鶴舞線・桜通線）、久屋大通駅（名城線・桜通線）が利用可能です。

道路

高速道路：名古屋高速都心環状線が外堀通の上に通り、丸の内出口と丸の内入口が利用できます。名古屋高速都心環状線は、名古屋城外堀との景観を考慮したデザインが特徴的です。
一般道路：江戸時代の区画整理が基盤となっており、碁盤目状の道路が整備されています。桜通、伏見通、外堀通、大津通などの幹線道路は幅が拡張されており、久屋大通は100m道路として公園が整備されています。多くの道路が一方通行となっています。

管轄

日本郵便：名古屋中郵便局
行政：中区役所
警察：中警察署、大津橋交番
年金事務所：鶴舞年金事務所

脚注

注釈：特になし
出典：WEB、書籍
参考文献：水野時二・林薫一・岩崎公弥監修『なごやの町名』、杉野尚夫 著「消えた碁盤割の地名」

関連項目

名古屋市の地名
丸の内 (曖昧さ回避)

外部リンク

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