五大連池市

五大連池市（ごだいれんち-し）

五大連池市は、中国黒竜江省北西部に位置する県級市で、市人民政府は青山鎮にあります。特筆すべきは、市内にある五大連池風景区です。ここは中国を代表する火山風景区として知られ、1982年に中華人民共和国国家級風景名勝区に認定されました。この地域には14の火山が存在し、最も古いものは約90万年前、新しいものでは1719年に噴火した記録が残っています。

地理と自然

五大連池市は松嫩平原の北端に位置し、特有の地形と豊かな生態系を育んでいます。1721年頃の火山活動によって溶岩が河道を塞ぎ、五大連池湖が形成されました。これらの湖は互いに繋がり、独特の景観を作り出しています。

この地域の生物相は非常に多様で、希少な植物としてはマンシュウグルミ、マンシュウトネリコ、ゲンカイイワレンゲ、キハダ、ツルマメなどが見られます。また、ノガン、アカハジロ、タンチョウといった貴重な動物も生息しています。その生態学的価値が認められ、2004年にはユネスコによって第1次世界ジオパークおよび生物圏保護区に指定されました。

市の東南部には山口湖ダムがあり、北安市と隣接しています。

歴史

五大連池市の歴史は古く、秦漢代には烏桓、三国時代には北夫余、隋唐代には黒水靺鞨が居住していました。遼代には東京道室韋王府の管轄下に置かれ、烏延突厥がこの地に住んでいました。金代には上京路に属し、蒲與路の管轄とされ、女真完顔部が居住していました。元代には遼陽行省開元路の一部となり、中期以降は水達達路蒲與路万戸府が設置され、オッチギンの分封地となりました。

明朝時代にはヌルガン都司訥謨爾河衛、清朝時代にはブトハ総管衛門の管轄となり、ブトハ八旗 - 正白旗部落の居地となりました。清末の1909年（宣統2年）に訥河が直隷属地と改編され、中華民国成立後の1915年には克山県第三区、1929年には徳都設治局が設立されました。

1933年に徳都設治局は徳都県に昇格しましたが、新中国成立後の1958年9月に北安県に編入され、嫩江専員公署の下に青山公社が設立されました。1963年6月29日に北安市から分離され、1979年には五大連池管理処が設置、翌年には管理局に改称されました。1983年10月8日の行政改編により、五大連池鎮と双泉公社の竜泉、良種場を行政区域とする五大連池市が成立しました。当時の人口は約5千人で、中国最小の都市でした。1996年1月31日、徳都県の全域が五大連池市に編入され、現在の市域が確定しました。

行政区画

五大連池市は、現在1街道、7鎮、4郷を管轄しています。

街道弁事処: 青山街道
鎮: 竜鎮、和平鎮、五大連池鎮、双泉鎮、新発鎮、団結鎮、興隆鎮
郷: 建設郷、太平郷、興安郷、朝陽郷

経済

五大連池市は、豊かな鉱産資源と薬草資源を有しています。ミネラルウォーター、玄武岩、ミネラル泥、蛍石、火山礫などが産出され、薬草としては平貝母、五味子、沙参、穿山龍、仏手柑、蒲公英、赤芍、黄檗、黄耆、葦根、車前子、野百合、狼毒大戟、紅花、野薄荷などがあります。

交通

五大連池市へのアクセスは、鉄道と道路が利用できます。

鉄道
北黒線: 襄河駅 - 竜鎮駅 - 五大連池駅 - 二竜山屯駅
道路
高速道路: 吉黒高速道路、伊斉高速道路
国道: G202国道、G332国道

健康・医療・衛生

市内の主要な医療機関としては、五大連池市第一人民医院と五大連池市中医医院があります。

名所・旧跡・観光スポット

五大連池市には、多くの観光名所があります。中でも有名なのは、五大連池国家風景名勝区で、五大連池火山群と五大連池湖が含まれています。その他、益身園、長寿園、極楽亭、鐘霊寺遺跡なども訪れる価値があります。

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