五条家 (菅原氏)

五条家の歴史と相撲界との関係

五条家は、菅原氏高辻庶流に属する公家・華族であり、家格は半家と子爵家に分類されます。この家系は、相撲の司家としても名を馳せており、歴史的にはほかの相撲司家に比べてその地位が次第に低下していく様子が見られます。また、五条家には東坊城家、清岡家、桒原家といった分家が存在します。

起源と家業

五条家の起源は、菅原為長の子である高長（従二位、式部大輔）にまで遡ります。彼は1210年に生まれ、1285年まで生きました。家業は紀伝道という公家の活動にあたっていましたが、五条家の成り立ちにおいて重要なのは、相撲の司家として朝廷主催の相撲節会を運営したことです。これは野見宿禰の子孫であることが一因として挙げられます。相撲に関わる活動は、鎌倉時代から続いており、官位も大学頭、文章博士、式部大輔を経て中納言、大納言まで昇進しています。

江戸時代には171石の家禄を有し、幕末から明治期にかけての当主、為栄は明治元年（1868年）の鳥羽伏見の戦いで功績を挙げ、明治2年には陸軍少将に任命されました。1869年には、華族制度の整備により五条家も公家として華族に編入されました。その後、1884年に施行された華族令においては、為栄は子爵に叙され、貴族院での活動を通じてその権威を高めました。

相撲界との関係

五条家は相撲の司家としての名声を持ち続けていましたが、江戸時代後期になると、熊本藩主細川家の家臣である吉田司家による相撲興行が注目を集めるようになり、彼らの地位は揺らぎました。特に、吉田司家が横綱免許を発給するようになると、五条家の権威は低下していきました。

文政6年（1823年）に大関・柏戸利助と玉垣額之助への横綱免許交付を契機に、五条家は再び吉田司家に対抗し始めました。独自に横綱免許を発給することもありましたが、その結果、横綱というタイトルの権威が薄れる事態を招きました。特に明治期には吉田司家の行動が問題視され、五条家は横綱免許の発給を行うものの、あまりにも多くの免許を出すことで、結果的に相撲界全体への信頼を損なう結果を招いてしまいました。

1911年、五条家と吉田司家の間の横綱免許を巡る対立が収束し、大阪相撲協会が和解したことで、五条家の相撲界における地位は完全に失われることとなりました。その結果、五条家は京都相撲の力士に横綱免許を発給した後、相撲界から距離を置くことになり、その後の消息は途絶えています。

五条家の一時の栄華を感じさせる歴史がありますが、相撲界との関係は波瀾に満ちたものであり、華族としての立場を失いつつも、相撲の世界における影響を持っていたことが伺えます。

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