今川満範

今川満範（いまがわ みつのり）

今川満範は、生没年不詳の南北朝時代から室町時代初期にかけての武将です。今川貞世（了俊）の末子として生まれ、貞臣、名和貞継、言世、尾崎貞兼の弟にあたります。新野殿とも呼ばれていました。

生涯

室町幕府第3代将軍・足利義満より偏諱を受けて「満範」と名乗りました。応安3年/建徳元年（1370年）には、父・貞世が九州探題に任命されたことに伴い、九州へ下向し、父に従い軍事活動に参加しました。

応安6年/文中2年（1373年）3月には、父の命により肥前高来郡へ赴きました。さらに永和2年/天授2年（1376年）5月には、島津氏久が離反したことを受け、薩摩・大隅・日向の総大将として派遣され、島津氏討伐の指揮を執ることになります。

満範は、肥後の相良前頼をはじめとする南九州の国人衆の協力を得ながら、島津氏の掃討作戦を進めました。永和4年/天授4年（1378年）冬には、島津氏久方の北郷義久が籠城する都之城を包囲しましたが、翌康暦元年/天授5年（1379年）3月に島津氏久軍の援軍に大敗を喫し、大隅姫木城も陥落したため、南九州の戦線は大きく後退しました。

その後も満範は南九州各地を転戦しますが、永徳元年/弘和元年（1381年）に南九州の国人である野辺氏に手紙を送った記録を最後に、その後の消息は途絶え、以後の活動は不明となっています。南九州での活動は、兄の貞兼が引き継いだようで、貞兼は応永元年（1394年）に日向で島津方の国人と戦っています。

満範の詳しい生涯や人物像については、不明な点が多く、今後の研究が待たれるところです。

参考文献

川添昭二『人物叢書 今川了俊』吉川弘文館、1964年。
都城市史編さん委員会編『都城市史 通史編 中世・近世』都城市、2005年。

関連項目

南九州国人一揆
蓑原の合戦

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