伊藤五郎

伊藤 五郎

伊藤五郎（いとう ごろう、1902年2月28日 - 1992年6月4日）は、日本の著名な弁護士であり、政治家でもありました。彼は衆議院議員として3期、参議院議員として2期を務めるなど、政治の世界で長いキャリアを築きました。

経歴の概要

彼は山形県で生まれ、1928年に中央大学法学部を卒業後、弁護士としての道を歩み始めました。1936年には横浜弁護士会の副会長に就任し、その後1937年の第20回衆議院議員総選挙では立憲民政党から立候補し、見事当選を果たしました。続く1942年の総選挙では翼賛政治体制協議会の推薦を受け、再び衆議院議員として当選しました。

この時期、彼は大麻唯男国務大臣の秘書官や鈴木貫太郎内閣の文部参与官など、重要なポストを歴任しましたが、戦後は推薦議員として公職追放にあいました。この追放が解除された後、彼は1952年の第25回衆議院議員総選挙に改進党から立候補しましたが、その後は連続して落選しました。1955年の保守合同以降は自由民主党に属し、1960年の第29回衆議院議員総選挙で再び当選を果たしました。

1963年には外務政務次官に就任するも、翌年の衆議院議員総選挙で落選しますが、1965年には第7回参議院議員通常選挙で自由民主党公認で立候補し、当選します。その後、彼は参議院外務委員長や沖縄及び北方問題に関する特別委員長などを務め、地元山形県での影響力をさらに強めました。

多彩な役職を歴任

伊藤は、自民党内で様々な役職を務めたほか、山形県連の会長、国民運動副本部長、大蔵常任委員会の理事などを歴任し、党の組織強化にも貢献しました。また、裁判官弾劾裁判所の代理裁判長として活動し、法律の専門知識を政治に活かしました。

彼の人脈も広く、笹川良一や田中角栄との関係が特に知られています。田中角栄からは感謝の言葉を受け、三木武夫とは大学時代からの友人関係にありました。

晩年と業績

1977年には参議院議員通常選挙に出馬せず、1979年には再び衆議院議員選挙に立候補しましたが、残念ながら落選しました。晩年には勲二等の授与を内示されましたが、これを辞退する姿勢を見せました。

1992年6月4日、彼は90歳でこの世を去りました。彼の死後には勲二等旭日重光章が追贈され、正五位から従三位に叙されることとなりました。

著作

彼はまた著作活動も行い、『人生哲学』や『苦学生』シリーズなどの書籍を出版しており、特に学生や若者に向けたメッセージを広めました。これらの著作には、彼自身の経験や人生観が色濃く反映されています。

総じて、伊藤五郎の人生は法律と政治の近接的で多面的な活動に彩られたものであり、彼の功績は日本の政治史において重要な位置を占めています。

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