佐波川

佐波川（さばがわ）

佐波川は、山口県の中央部を南北に流れる一級河川であり、地域の人々にとって重要な水資源、また自然豊かな場所として親しまれています。

地理

佐波川は、島根県との県境にある周防山地の三ヶ峰を源流とし、大原湖（佐波川ダム）を経て、防府市街の北西部を通り、周防灘へと注ぎます。流域には、防府市、山口市、周南市が含まれます。

名称の由来

佐波川の名前の由来にはいくつかの説があります。

重源伝説: 東大寺再建のために佐波川上流にやってきた重源が、奈良から来た職人たちのために、木片に「鯖」と書き加持祈祷したところ、その木片が鯖に変わり、川に投げ込むとたちまち鯖になったことから「さばがわ」と呼ばれるようになったという伝説。
神功皇后伝説: 神功皇后が桑山から四方を眺めた際に発した「さばけた」という言葉に由来するという説。
鯖の産地説: 佐波川で獲れる鯖が、周防国の特産品であったことに由来するという説。

自然

佐波川は、豊かな自然に恵まれ、様々な動植物が生息しています。

釣り: 毎年3月頃にはアマゴ釣り、6月頃にはアユ釣りが解禁され、多くの釣り人で賑わいます。その他、ヤマメ、オイカワ、ムギツク、スナヤツメ、アカザ、オヤニラミなども生息しています。
潮干狩り: 河口付近では、4月頃からアサリやハマグリなどの潮干狩りも楽しめます。
ホタル: 初夏にはゲンジボタルの姿を見ることができ、毎年6月頃には「佐波川ホタルの夕べ」というイベントも開催されます。

佐波川の自然環境保全の取り組みも積極的に行われており、「佐波川蛍の川」として昭和61年度手づくり郷土賞（ふれあいの水辺）を受賞。「佐波川の新しい空間　そして未来へ！　～小野水辺の楽校～」として令和元年度手づくり郷土賞を受賞しています。

歴史

佐波川は、古くから地域の人々の生活を支えてきましたが、同時に洪水の脅威にもさらされてきました。中世には、重源が木材運搬のために118箇所もの関水（堰）を築いたとされますが、そのほとんどは洪水によって失われています。近代においても、1918年や1951年には大規模な洪水が発生し、甚大な被害をもたらしました。しかし、1972年以降は、河川改修や治水対策が進められ、大規模な洪水被害は発生していません。

支流と交通

佐波川の主な支流としては、島地川があります。島地川には、島地川ダムが建設されています。

佐波川に並行する交通としては、かつて防石鉄道が走っていましたが、現在は廃止されています。道路としては、国道489号、山口県道24号防府徳地線、山口県道184号三田尻港徳地線、山口県道503号佐波川自転車道線、国道2号防府バイパスなどが挙げられます。また、山陽自動車道には佐波川サービスエリアが設けられています。

その他

佐波川は、かつてテレビCMのロケ地として利用されたこともあります。

とくぢ味噌
藤光蒲鉾工業
* 徳山競艇

これらのCMは過去に放送されたもので、現在は放送されていません。

まとめ

佐波川は、豊かな自然、歴史、文化が息づく川であり、地域の人々の生活を支える大切な存在です。釣りやホタル観賞など、様々な楽しみ方ができ、また、治水対策も進められています。これからも、佐波川が地域のシンボルとして、次世代へと受け継がれていくことが期待されます。

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