傅嘏

傅嘏（ふ か）

傅嘏（209年 - 255年）は、中国三国時代の魏に仕えた政治家です。字は蘭石（らんせき）。

生涯

傅嘏は、若い頃からその才能を知られていました。司空の陳羣にその能力を認められ、彼の部下として働くことになります。その後、尚書郎、黄門侍郎と順調に昇進しました。

当時の魏では、曹爽が政治の実権を握っており、人事の面で何晏を重用していました。傅嘏は、曹爽の弟である曹羲に対し、何晏を重用しないよう助言しましたが、これが何晏の耳に入り、免職となってしまいます。しかし、太傅の司馬懿にその才能を認められ、招聘を受けて従事中郎将となりました。

249年に曹爽一派が失脚すると、傅嘏は河南尹に任命されます。前任者の統治が緩かったため、その地は乱れていましたが、傅嘏は以前の優れた政治家たちの手法を参考に統治を立て直しました。その功績が表に出ることはありませんでしたが、官民ともにその統治に恩恵を受けました。その後、尚書に昇進しています。

252年、呉征伐の機運が高まると、傅嘏は呉征伐に反対する意見を述べました。その予見通り、胡遵と諸葛誕が東興で呉の諸葛恪に大敗を喫し、遠征は失敗に終わりました。

253年、諸葛恪が北伐の軍を起こすと、傅嘏はその動きが陽動であり、侵攻先が合肥であることを見抜きました。

傅嘏は、曹髦が即位すると武郷亭侯に昇進します。

255年に毌丘倹・文欽の乱が勃発すると、司馬師に自ら討伐に向かうよう進言しました。司馬師の遠征に同行し、反乱の鎮圧に大きく貢献しました。司馬師が急死すると、曹髦は司馬昭の兵権を削ぐため、傅嘏に軍を率いて帰還するよう命じましたが、傅嘏は鍾会と相談し、これを拒否しました。そして、司馬昭を奉じて洛陽に帰還し、陽郷侯に封じられました。

その年のうちに、傅嘏は47歳で亡くなりました。彼の死後、太常が追贈され、元侯と諡されました。

人物評

傅嘏は、夏侯玄らの失脚を予見する人物眼と、鍾会と渡り合う英知を備えていたと評されています。荀顗、荀粲、裴徽、何曾、陳泰、鍾毓らと親交がありました。

参考文献

* 『三国志』魏書 巻21 傅嘏伝

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