傅暢

傅暢についての詳細

傅暢（ふ ちょう、? - 330年）は、五胡十六国時代の後趙における著名な政治家であり、その生涯を通じて多くの重要な役割を果たしました。彼の字は世道であり、北地郡泥陽県の出身です。傅暢の家族は中国の歴史において重要な存在であり、彼の祖父は魏の陽郷侯傅嘏、父は西晋の司徒傅祗、そして兄は同じく西晋の御史中丞傅宣です。

生涯の初期と西晋への仕官

傅暢は若い頃から名声を博し、20歳になる前には既にその名が知れ渡っていました。彼は西晋に仕官し、そこで選抜を受けて東宮の侍講に就任しました。この役職は皇族に学問を教える責任を伴うものであり、彼の学識と人物が高く評価されたことを示しています。その後、徐々に昇進し、秘書監にまで至りました。

311年の6月、後の前趙軍の攻撃により洛陽が陥落し、懐帝が捕虜となります。この混乱の中で、傅暢の父傅祗は、大将軍の苟晞と共に河陰で臨時政府を設立しました。傅暢は、この際に父から正式に任命され、河陰県の県令となりました。

政治的活動と業績

その後、彼は豫州刺史の閻鼎と連携して、秦王司馬鄴を盟主として立て、洛陽を越えて山陵へ向かうことを計画しました。彼は、胡人及び漢人を慰撫し、義兵を興起させ、国の名誉を回復するよう努めました。閻鼎がこれに同意し、二人は関中に移動することになりました。しかし、312年の春、漢の中山王劉曜が攻撃を開始し、その結果傅暢は捕虜となり、平陽に送られました。その後、彼は漢に仕官し、劉聡によって重用されます。

劉聡は、傅暢の父傅祗に太保を追贈し、彼の孫たちを給事中に任じました。さらに傅暢は劉聡に対してその忠誠心を称賛される一方で、彼自身は政治的に難しい立場に立たされます。傅暢は、陛下の称賛に対して感謝を示すのみで、政治的駆け引きには巻き込まれず、冷静に振る舞いました。

石勒の下で

その後、傅暢は大将軍石勒に仕官し、右司馬に任じられました。319年11月、石勒が赵王位に即くと、彼は経学祭酒を担当し、国家の儀礼などにも深く関与していきました。この職務を通じて、傅暢は国家機密に関与する機会が増え、石勒により重く評価されるようになります。

330年に傅暢はこの世を去りますが、生前に『晋諸公賛』や『晋公卿礼秩故事』を著し、これらは後世においても流通しました。また、三国志の注釈者裴松之は『晋諸公賛』を引用するなど、彼の作品が後の歴史に影響を与えました。

逸話

傅暢には若かりし頃の逸話があり、5歳の頃に父の友人が彼の衣を脱がせ金環を奪った際、彼は全く気にせず称賛を受けたという話があります。これは彼の寛大さを示す一例です。

子孫

傅暢の子孫には、傅沖や傅泳、傅洪がおり、特に傅泳は傅暢の死後に東晋に帰順し、交州刺史などの官職を歴任しました。さらに、孫の傅歆は官位として梁州刺史に至ります。このように、傅暢の家系はその後も続き、歴史に名を残しています。

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