内江市

内江市（ないこうし）

内江市は、中華人民共和国四川省の南東部に位置する地級市です。古くからサトウキビ栽培と製糖業で栄え、「甜城（甘い城）」という別名を持っています。

地理

内江市は四川盆地の中南部に位置し、大部分が丘陵地帯です。北西が高く南東が低い地形をしており、沱江が市域を北西から南へと貫流しています。水資源が豊富で、肥沃な土地が広がっています。

東は重慶市、西は眉山市、南は自貢市と瀘州市、北は資陽市に隣接しています。

歴史

内江市の地域は、西周から戦国時代にかけて蜀国の東部に属していました。秦の中国統一後は蜀郡となり、前漢の武帝の時代には資中県が置かれました。後漢の時代には、資中県から内江付近の地域が分かれ、漢王朝の繁栄を願って漢安県と名付けられました。これが内江の初期の名称です。

567年、北周が漢安県を中江県と改名。581年、隋の文帝が中水という地名を避けて、県城が川に囲まれていることから内江県としました。隋末には内江県から牛鞞県が作られましたが、唐代に清渓県となり資州の管轄となりました。北宋時代には清渓県は廃止され内江県に編入されました。

元代には人口が激減し内江県は廃止されましたが、明代に復活。資州管轄の県として清末期を迎えます。

1935年に資州は第二行政督察区に改称。中華人民共和国成立後は資中専区となりました。1950年に資中の専員公署が内江に移り内江専区と改名、内江・資中・資陽・簡陽・仁寿・威遠などの県を管轄しました。1951年には内江県城とその近郊が内江市となりました。

1968年には専区が地区に改められ、1985年に内江地区が廃止され地級市の内江市となりました。かつての内江市は市中区となり、1989年には内江県が廃止され東興区となりました。当時は資中・資陽・簡陽・威遠・楽至・安岳・隆昌の7県を管轄していました。

1995年、資陽県が県級市の資陽市となり、1996年には簡陽県が県級市の簡陽市となり、内江市から離れて四川省の直轄市となりました。1998年2月には国務院の行政区画調整で資陽・簡陽・楽至・安岳の4県市が分離し資陽地区となり、内江市は現在の範囲となりました。

行政区画

現在、内江市は2つの市轄区、1つの県級市、2つの県を管轄しています。

市轄区：市中区、東興区
県級市：隆昌市
県：資中県、威遠県

経済

温暖な気候と肥沃な土地に恵まれ、農業が盛んです。サトウキビ、麻、豚、養蚕などが主要な産業であり、特に「内江豚」は中国でも優良な品種として知られています。サトウキビ、コウマ、落花生の生産量は四川省で首位を誇ります。

河川や池では魚の養殖が盛んで、水鳥の飼育も行われています。隆昌県は国家級水禽基地に、東興区と資中県は省級水禽基地に指定されています。

工業は、建材、機械、軽工業（食品）、化学（医薬品）が主要な産業です。石炭、天然ガス、石灰石、石英などの鉱物資源も産出されます。

交通

鉄道
中国鉄路総公司
成渝旅客専用線
成渝線
内昆線
道路
高速道路
成渝高速道路
内宜高速公路
隆納高速公路
成自瀘高速公路
内遂高速公路
内江環城高速（建設中）

観光と文化

内江市には、数多くの観光名所があります。仏教の聖地である西林古刹、「川中第一禅林」と呼ばれる聖水寺などの旧跡や、張大千紀念館、喩培倫大将軍紀念館などの博物館があります。また、四川長江森林公園、白雲山、重龍山、古宇湖、船石湖などの自然景観も楽しめます。

古い町並みが残る「清代一街」、三元塔、高寺塔なども見どころです。

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