混全帯么九

混全帯么九（ホンチャンタイヤオチュウ）

混全帯么九（ホンチャンタイヤオチュウ）は、麻雀における役のひとつです。4面子1雀頭の全てに么九牌（一九字牌）が関わっている形を指します。門前（メンゼン）で2翻、鳴くと1翻に下がります。別称として全帯么九（チャンタイヤオチュウ）とも呼ばれ、略してチャンタとも呼ばれます。

概要

チャンタで使用できるのは123や789といった端に寄った順子、そして一九字牌の対子や刻子です。タンヤオとは正反対の性質を持つ役と言えるでしょう。ただし、タンヤオに比べて役の構成牌、特に使える順子が限られているため、役作りは簡単ではありません。順子が含まれていない場合は、混老頭（ホンロウトウ）という上位役になるため、チャンタには必ず順子が1つ以上必要になります。

苦労の割に2翻と点数が低いため、端牌や字牌が多い配牌でなければ、積極的に狙う役ではありません。鳴いて作ることもできますが、1翻と点数が伸び悩む上に、手作りの自由度が著しく低下し、戦略が制限されます。また、メンゼン・副露を問わず、最終形が辺張（ペンチャン）待ちや嵌張（カンチャン）待ちになりやすいのも難点です。両面待ちになったとしても、高目でしかチャンタが成立しないケースも存在します。

もちろん、役牌やドラと組み合わせることで、威力を上げることは可能です。混一色（ホンイツ）や小三元（ショウサンゲン）、三色同順（サンショクドウジュン）といった役と複合することもあり、ごく稀に平和（ピンフ）と複合することもあります（ただし、メンゼンで雀頭が客風牌、かつ123、789の順子のみで構成され、両面待ちで高目の一九牌を引いた時のみに限られるため、平和との複合は現実的ではありません）。

役の性質上、序盤から中張牌を捨てることになるため、相手に警戒されやすいというデメリットもあります。また、役の定義上、赤牌が使えないため、赤牌をツモってきた時点でチャンタを諦め、方向転換することも少なくありません。配牌に赤牌がある場合は、なおさらです。

この役には上位役が2つ存在します。字牌を使わない形は純全帯么九（ジュンチャンタイヤオチュウ）という役になり、チャンタの条件を満たした上で4面子が全て刻子であった場合、つまり対々和（トイトイ）や七対子（チートイツ）形は混老頭という役になります。

歴史

元々は字牌の有無を問わない「全帯么九」という役でしたが、日本で「純全帯么九」が考案されたため、区別するために字牌を含む形を「混全帯么九」と呼ぶようになりました。ただし、区別を必要としない場合は、単にチャンタと呼ばれることが多いです。一部ではホンチャンタと言うこともありますが、これはチャンタと同義です。なお、中国麻雀などでは、現在もチャンタと純チャンを区別していません。

牌姿の例

（例）メンゼンのケース

[図：牌姿の例（メンゼン）]

待ち。この牌姿の場合、雀頭が西ではなく老頭牌であれば純チャンになります。

（例）高目で三色同順と複合

[図：牌姿の例（三色同順複合）]

待ちの形ですが、四萬ではチャンタになりません。七萬ならチャンタの他に三色も成立し、ダマテンでも満貫以上になります。さらに西がオタ風の場合は平和も複合します。一方、西が役牌である場合は平和が成立せず、四萬では役がありません。

（例）副露したケース

[図：牌姿の例（副露）]

待ち。鳴いた場合、役牌やドラがないと1翻止まりという残念な結果になりがちです。この牌姿の場合、西が役牌であれば複合しますが、ドラも役牌もなければ30符1翻にしかなりません。

（例）三暗刻もどきかつ四暗刻のイーシャンテンのケース

[図：牌姿の例（三暗刻・四暗刻）]

待ちですが、三萬・四萬・五萬の部分は3組の暗刻とみなすこともできれば3組の順子とみなすこともできます。五萬であがった場合は暗刻とみなせば三暗刻で2翻、順子とみなせば北が客風であっても平和と一盃口でやはり2翻ですが、刻子には符がつく分暗刻とみなした方が得点が高くなります。しかし三萬であがった場合は順子とみなせば北が役牌であってもチャンタと一盃口で3翻つくためこちらの方が得点が高くなります。なお、二萬をツモれば四暗刻単騎の聴牌になります。

混全帯么九