劉昌赫

劉昌赫（ユ・チャンヒョク）

劉昌赫（ユ・チャンヒョク、유창혁、りゅう しょうかく、1966年4月25日 - ）は、韓国の囲碁棋士です。ソウル出身で、韓国棋院に所属し、九段の段位を持っています。その棋風は非常に攻撃的で、「攻撃手」というニックネームで広く知られています。

経歴

劉昌赫は7歳の時に父親から囲碁を教わり始め、幼い頃からその才能を発揮しました。小学校3年生の時には少年国手戦で優勝し、その後3連覇を達成。小学6年生時には全国アマチュア囲碁選手権で優勝するなど、アマチュア時代からその実力は際立っていました。中学3年生で日中韓学生大会の代表に選ばれ、1983年には最年少でアマチュア国手戦を制覇。1984年には世界アマチュア囲碁選手権戦で準優勝を果たし、同年、韓国棋院初段となりました。沖岩高校を卒業後、1987年に兵役を経験しています。

プロ入り後の劉昌赫は、数々のタイトルを獲得し、韓国囲碁界を代表する棋士としての地位を確立していきます。1986年には新王戦で優勝し、1989年には二段の身で大王戦で曺薫鉉に挑戦、3勝1敗で初のタイトルを獲得しました。1990年には、棋聖戦で曺薫鉉との挑戦手合を制し、棋聖位を奪取。さらに1991年から王位戦で4連覇を達成するなど、国内タイトルを次々と獲得しました。

国際棋戦でも目覚ましい活躍を見せ、1993年の世界囲碁選手権富士通杯での優勝を皮切りに、応昌期杯、三星火災杯、春蘭杯、LG杯など、数々の世界選手権で優勝しました。1996年には推薦により九段に昇段。1990年代には、曺薫鉉、徐奉洙、李昌鎬と並び、「四強」と称される韓国囲碁界の黄金時代を築き上げました。

2010年には、「21世紀の朝鮮通信使-囲碁で信を通わせあう」プロジェクトに参加し、来日。広島県福山市や滋賀県彦根市で対局を行いました。2010年、2012年の三星火災杯、2011年のBCカード杯にも出場するなど、国際棋戦でも活躍を続けました。2014年には、珠鋼杯世界囲碁団体選手権に韓国ワイルドカードチームとして出場しました。

韓国囲碁リーグでは、2009年に嶺南日報チームで優勝。中国甲級リーグ戦にも2001年、2002年、2004年に出場するなど、海外のリーグ戦にも積極的に参加しています。

2006年から2019年まで韓国棋院理事、2014年から2016年まで韓国棋院国家代表監督、2016年から2018年まで韓国棋院事務総長を務め、韓国囲碁界の発展にも大きく貢献しました。また、韓国棋院常務理事として、賞金制トーナメントの導入を提案し、2009年開始のBCカード杯世界囲碁選手権で実現させました。門下には、崔精がいます。

タイトル歴

国際棋戦
世界囲碁選手権富士通杯：1993年、1999年
応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦：1996年
三星火災杯世界オープン戦：2000年
春蘭杯世界囲碁選手権戦：2001年
LG杯世界棋王戦：2002年
中日韓囲棋元老戦：2019年
1004島新安国際シニア囲碁大会：2021年個人戦

国内棋戦
新王戦：1986年
大王戦：1989年
棋聖戦：1990年
王位戦：1991年-1994年
バッカス杯戦：1993年
KBS杯バドゥク王戦：1995年
テクロン杯プロ棋戦：1996年
SBS杯連勝囲碁最強戦：1996年-1997年
倍達王戦：1998年-1999年
マキシムコーヒー杯入神連勝最強戦：2001年-2002年
覇王戦：2003年
KT杯マスターズプロ棋戦：2003年
電子ランドプライスキング杯韓国囲碁伝説：2016年

その他の棋歴

国際棋戦
世界囲碁選手権富士通杯 準優勝：1994年、2002年
テレビ囲碁アジア選手権戦 準優勝：1996年
三星火災杯世界オープン戦 準優勝：1996年
LG杯世界棋王戦 準優勝：1997年、1998年、2000年
東洋証券杯世界選手権戦 準優勝：1998年
IBM早碁オープン戦 ベスト8：1989年
中日韓聶衛平杯囲碁マスターズ 3位：2019年
廬陽杯三国名人ペア碁戦 準優勝：2013年（崔精とペア）
国手山脈杯国際囲棋戦 3位：2019年（許瑞玹とペア）
SBS杯世界囲碁最強戦：1991年 2-1
真露杯SBS世界囲碁最強戦：1993年 2-1、1994年 0-1、1995年 0-1、1996年 2-1
ロッテ杯中韓囲碁対抗戦：1996年 2-0、1997年 1-1
農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦：2000年 0-1、2002年 1-1、2005年 0-1
農心白山水杯世界囲碁シニア最強戦：2024年 1-0
CSK杯囲碁アジア対抗戦：2002年 2-0、2003年 1-2、2004年 1-2
珠鋼杯世界囲碁団体選手権：2013年 リーグ:3-2、準決勝:×、3位決定戦:×
塩城東方集団杯中韓囲棋団体名人選手権戦：2016年 2-1
扁康杯中韓囲棋国手友誼戦：2019年 2-0
1004島新安国際シニア囲碁大会：2019年団体戦 2-1
葫芦島碧桂园杯中日韓囲棋団体対抗戦：2021年 0-2

国内棋戦
大舟杯プロシニア最強者戦 準優勝：2021年
SG杯ペア碁大会 優勝：2012年（崔精とペア）
韓国囲碁リーグ: 2004年（汎洋建榮）2-5、2005年（パークランド）1-5、2006年（ワールド建設）10-4、2007年（ワールド建設）9-3、2008年（ワールド建設）3-7、2009年（嶺南日報）1-3、2010年（嶺南日報）2-9、2012年（ネットマーブル）1-5
GGオークション杯女流対シニア連勝対抗戦: 2011年 3-0、2012年 2-1、2014年 1-1
更豪ホテル杯元老勝抜戦：2012年 1-1
韓国棋院総裁杯シニア囲碁リーグ:2016年（ソウルチュンアム）8-3、2020年（ソウルデータストリームズ）13-1（最多勝）、2021年（データストリームズ）11-3（最多勝）
* 中国囲棋甲級リーグ戦:2001年（雲南香格里拉藏秘）, 2002年（雲南印象酒業）, 2004年（山東魯抗医薬）

代表局

「四強時代突入」第2期棋聖戦挑戦手合第6局 1990年12月6日 曺薫鉉棋聖(先番)-劉昌赫

この対局で劉昌赫は、白番を持ち、右辺の22手目から中央志向で局面を進めました。白1（60手目）から17までの打ち方で中央の黒を脅かしながら白模様を盛り上げ、優勢を築きました。その後、黒が左辺に侵入し、コウ争いから左辺を生きましたが、白は中央の黒を切り取りました。最終的には白がヨセで差をつけ、4目半勝ちを収めました。この勝利により、劉昌赫は4勝1敗1ジゴで棋聖位を獲得し、賞金2700万ウォンを手にしました。この2回目のタイトル獲得以降、多数のタイトルを獲得し、韓国碁界は曺薫鉉、徐奉洙の二強時代から、李昌鎬を加えた四強時代へと突入しました。

脚注

韓国棋院の公式ページへのリンク'>韓国棋院「유창혁(劉昌赫)」

劉昌赫公式サイト

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