中国囲棋甲級リーグ戦

中国囲棋甲級リーグ戦

中国囲棋甲級リーグ戦は、中国国内のプロ囲碁棋士による団体対抗戦であり、中国囲碁界における最高峰のリーグ戦として位置づけられています。1999年に創設され、当初は「江鈴杯全国囲棋男子甲級リーグ戦」としてスタートしました。その後、複数のスポンサー企業が入れ替わりながら、今日に至るまで継続されています。このリーグ戦は、国家体育総局棋牌運動管理センターが主催し、中国における囲碁の普及と発展に大きく貢献しています。

歴史

前身は1975年から開催されていた「全国囲棋団体戦」です。1999年にプロリーグ化され、「中国囲棋甲級リーグ戦」として新たなスタートを切りました。下部リーグには、乙級リーグと丙級リーグがあり、それぞれ昇降格制度が設けられています。また、女子の部も存在し、2013年からは「全国女子囲棋甲級リーグ戦」として独立して開催されています。

リーグ名称の変遷

リーグ戦の名称は、スポンサー企業の変更に伴い、以下のように変遷してきました。

1999-2002年: 江鈴杯全国囲棋男子甲級リーグ戦
2003年: 好猫杯全国囲棋男子甲級リーグ戦
2004年: 全国囲棋男子甲級リーグ戦
2005年: 澳特来中国囲棋甲級リーグ戦
2006年: 中国和全国囲棋男子甲級リーグ戦
2007-2017年: 金立手机杯中国囲棋甲級リーグ戦
2018-2022年: 華為手机杯中国囲棋甲級リーグ戦
2023年: 雅居楽清水湾杯中国囲棋甲級リーグ戦
2024年-: 雅居楽杯中国囲棋甲級リーグ戦

リーグの概要

このリーグ戦は、企業がスポンサーとなるチームが、所属棋士を抱えて対戦する形式で、選手の移籍も可能です。中国国内の棋士だけでなく、韓国、台湾、日本の棋士も参加しており、国際色豊かなリーグ戦となっています。また、2005年と2017年には、韓国囲碁リーグの優勝チームとの対抗戦も行われました。

リーグの方式

リーグ戦の方式は年度によって異なり、1999年は10チームによるホーム&アウェイ方式で18回戦、2000年から2016年は12チームによる22回戦、2017年は14チームによる26回戦が行われました。乙級リーグは16チーム、丙級リーグは18チームで構成され、甲級リーグの下位2チームが乙級に降格し、乙級リーグの上位2チームが甲級に昇格します。また、乙級と丙級の間でもチームの入れ替えが行われます。

各チームは5〜6人で構成され、1試合に4人が出場します。対局は、3局が持ち時間各3時間の通常対局、1局が早碁（快棋）で行われます。試合の結果は、3勝以上で勝点3、2勝2敗の場合は、主将が勝利した方が勝点2、敗れた方が勝点1となり、合計勝点を競います。勝点が同じ場合は、勝利数、主将勝率、チーム内最高勝率者（15試合以上出場）の順で順位が決定されます。

過去の成績と個人賞

以下に、過去のリーグ戦における主な成績と個人賞をまとめました。

各年成績（一部抜粋）

1999年:
1位: 重慶建設摩託
2位: 上海時代巨盛
3位: 中信大三元
2000年:
詳細な成績は省略します
2001年:
最高勝率賞: 常昊
2002年:
最高勝率賞: 王磊
2003年:
最高勝率賞: 古力
最佳棋士: 古力
最多勝: 古力
連勝賞: 古力
最佳新人: 李喆
2004年:
最高勝率賞: 古力
連勝賞: 古力
最佳新人: 古霊益
2005年:
最多勝: 邱峻、陳耀燁
連勝賞: 邱峻
最佳外援賞: 睦鎮碩
2006年:
詳細な成績は省略します
2007年:
詳細な成績は省略します
2008年:
MVP: 古力
優秀主将: 古力
最佳新人賞: 時越
連勝賞: 時越
最佳外援賞: 李世乭
2009年:
MVP: 柁嘉熹
優秀主将: 彭筌
連勝賞: 陳耀燁
新秀賞: 李喆
2010年:
MVP: 李喆
優秀主将: 周睿羊
最多勝: 柁嘉熹
新秀賞: 范廷鈺
2011年:
MVP: 謝赫
優秀主将: 范廷鈺
最多勝: 羋昱廷
新秀賞: 唐韋星
2012年:
MVP: 古力
優秀主将: 時越
最多勝: 王檄
新秀賞・人気賞: 連笑
2013年:
MVP: 楊鼎新
優秀主将: 時越
最多勝: 王檄
新秀賞: 柯潔
2014年:
MVP: 柯潔
優秀主将: 檀嘯
最多勝: 羋昱廷
新秀賞: 陳賢
2018年:
MVP: 羋昱廷
優秀主将・人気賞: 柯潔
最多勝・新人賞: 伊凌涛
2019年:
MVP: 丁浩
最佳主将賞: 辜梓豪、楊鼎新
人気賞: 柯潔
最佳新人賞: 王星昊
2020年:
MVP: 江維傑
最佳主将賞: 柯潔
人気賞: 党毅飛
最佳新人賞: 屠暁宇
2021年:
MVP: 謝科
最佳主将賞: 柯潔
最多勝: 丁浩
最佳新人賞: 金萬丞
2022年:
MVP: 李欽誠
最佳主将賞: 李維清
最多勝: 李軒豪
2023年:
MVP: 柯潔
最佳主将賞: 辜梓豪
最多勝: 李軒豪
人気賞: 謝爾豪
2024年:
MVP: 時越
最多勝: 李軒豪
連勝賞: 楊鼎新、李維清
最佳進歩賞: 陳一純

外国人棋士の出場

このリーグ戦には、多くの外国人棋士も参加しています。以下は、過去の出場例です。

2001-2002年: 劉昌赫（韓国、雲南香格里拉藏秘）
2001-2002年: 李昌鎬（韓国、浙江新湖）
2002年: 河野臨（日本、浙江新湖）、林海峰（日本、貴州衛視）、江鋳久（韓国、河北金玉）
2003年: 王立誠、羽根直樹（日本、北京海淀）、周俊勲（台湾、貴州衛視）
2003-2006年: 金承俊（韓国、武漢）
2004年: 劉昌赫（韓国、山東魯抗）
2004-2009年: 李世乭（韓国、貴州咳速停、貴州百魂）
2005年: 睦鎮碩（韓国、貴州咳速停）、曺薫鉉（韓国、四川嬌子）、周俊勲（台湾、香港新世界）
2008-2010年: 李映九（韓国、四川驕子）
2017年: 一力遼（日本、重慶地産）

まとめ

中国囲棋甲級リーグ戦は、中国囲碁界を代表するプロ棋士たちが集い、高度な技術と戦略を競い合う場です。国際的な棋士の参加もあり、囲碁ファンにとって見逃せないイベントとなっています。リーグ戦の激しい戦いから、今後も多くの名勝負が生まれることが期待されます。

出典

孔令文「勝負の赤壁 中国・囲碁事情 第11回」（『碁ワールド』誌2010年11月号）

外部リンク

2006中国和围甲联赛
"金立手机杯"中国围棋甲级联赛
中国棋牌網「金立手机杯中国围棋甲级联赛」
2014全国围棋甲级联赛
中国棋牌网「华为手机杯中国围棋甲级联赛」
新浪体育「2021华为手机杯中国围棋甲级联赛」2022.1.21
新浪棋牌「2022华为手机杯围棋甲级联赛」
2023雅居乐清水湾杯中国围棋甲级联赛
2024乐居乐杯中国围棋甲级联赛2025.1.14

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