劉義真

劉義真（りゅう ぎしん）：南朝宋の皇族、悲劇の生涯

劉義真（407年 - 424年）は、南朝宋の初代皇帝・劉裕の次男として生まれ、廬陵孝献王に封じられました。幼くして高い地位を与えられましたが、その後の政治的失脚と悲劇的な死は、宋初期の政争の激しさを物語っています。

生涯

劉義真は、父・劉裕と孫修華の間に生まれました。413年に桂陽県公に封じられ、417年には父が長安を占領した際、柏谷塢の留守を任されました。その後、都督雍涼秦三州之河東平陽河北三郡諸軍事、安西将軍、領護西戎校尉、雍州刺史という要職に任命され、若くして関中の統治を任されることになります。

しかし、劉裕が南朝に戻ると、関中は赫連勃勃の侵攻を受けます。劉義真は王鎮悪と沈田子に迎撃を命じますが、両者の対立から王鎮悪が沈田子に殺害され、さらに沈田子も王修に殺害されるという事態に発展。讒言を信じた劉義真が王修を殺害したことで、人々の信頼を失い、関中は混乱に陥りました。劉裕は朱齢石を後任として派遣し、劉義真は関中から撤退する途中で赫連勃勃に大敗を喫します。

その後、都督司雍秦并涼五州諸軍・建威将軍・司州刺史に任じられますが、420年に劉裕が皇帝として即位すると、廬陵王に封じられ、東城に移ります。421年には司徒に上り、422年には使持節・侍中・都督南豫豫雍司秦并六州諸軍事・車騎将軍・開府儀同三司・南豫州刺史に任じられ、歴陽への駐屯を命じられますが、実際には赴任することはありませんでした。

劉義真は文章を好み、謝霊運や顔延之らと交流がありましたが、そのことが徐羨之の反感を買います。424年、徐羨之の弾劾を受けて庶人に落とされ、新安郡へ移送。彼を弁護した張約之は左遷の上殺害され、同年6月、劉義真も配所で殺害されました。享年18歳という若さでした。

426年、徐羨之らが処刑されると、劉義真の名誉は回復され、侍中・大将軍の位が追贈されました。子がいなかったため、文帝の五男である劉紹が後を継ぎました。

人物・逸話

文章を好み、文化人との交流があった。
関中統治の失敗は、若さゆえの経験不足が原因とも言える。
政争の犠牲者として、その死を悼む声も多かった。

史料

『宋書』巻61 列伝第21
* 『南史』巻13 列伝第3

劉義真の生涯は、南朝宋初期の政治的混乱と、若き皇族の悲劇を象徴するものとして、歴史に刻まれています。

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