北郷町

宮崎県南部に位置した自然豊かな町、北郷町

北郷町は、かつて宮崎県南那珂郡に存在した町です。2009年3月30日に日南市、南郷町と合併し、現在は日南市の地域自治区となっています。宮崎市から南へ約30kmの内陸部に位置し、鰐塚山地の東端部に位置しているため、町域全体が山地となっています。総面積の約88％が森林であり、その大半は飫肥杉で占められています。

気候

年平均気温は18.7℃と温暖で、年間降水量は2573.5mm（2006年）と比較的多いのが特徴です。

地形

町内には鰐塚山や広渡川といった自然豊かな地形が見られます。広渡川は、北郷町の中心部を流れる主要な河川であり、町の景観を特徴づける要素となっています。

歴史

江戸時代には伊東氏飫肥藩領でした。廃藩置県後、飫肥県、都城県、宮崎県、鹿児島県を経て、1883年の宮崎県再置により宮崎県所属となりました。1889年の町村制施行により南那珂郡北郷村が発足し、1959年に町制施行して北郷町となりました。

1892年には県内初の道路トンネルである山仮屋隧道が開通し、1941年には志布志線の延伸により北郷駅と内之田駅が開業しました。1963年には日南線が全通し、交通の利便性が向上しました。また、1994年には広渡ダムが竣工し、水資源の確保と治水に貢献しました。

行政と財政

最後の町長は倉岡清美氏で、町議会の定数は10人、町役場の職員数は95人でした。2006年度の一般会計決算によると、歳入は約40億3224万円、歳出は約39億5362万円でした。

産業

北郷町の主要産業は第一次産業で、特に農業と林業が盛んでした。農業では、豚やブロイラーなどの畜産、野菜、花卉が中心で、冬場の日照時間の長さを活かしたスイートピーの栽培が有名です。また、企業誘致にも力を入れており、1974年以降16社が町内へ進出しています。

姉妹都市

アメリカ合衆国のポーツマス市と姉妹都市提携を結んでいました。

人口

1950年の国勢調査では9465人でしたが、高度経済成長期に人口が減少し、その後は5000人台で推移していました。2008年1月1日時点の人口は5014人で、高齢化率は32.69％でした。

教育

2009年からは幼稚園を含めた小中一貫教育（幼小中一貫教育）を実施しており、通称は「まなびの杜北郷学園」と呼ばれています。

交通

最寄りの空港は宮崎空港です。鉄道はJR九州日南線が通り、北郷駅と内之田駅があります。バス路線は宮崎交通が日南市と北郷町を結んでいます。高速道路の最寄りのインターチェンジは、宮崎自動車道の田野インターチェンジと東九州自動車道の日南北郷インターチェンジです。

名所・旧跡・観光スポット

北郷町には、北郷温泉郷、ジェイズ日南リゾート、花立公園、猪八重渓谷、猪八重滝群、蜂之巣公園、山仮屋トンネル、山仮屋関所跡、三ツ岩林木遺伝資源保存林など多くの観光スポットがあります。

また、潮嶽神社春の大祭（2月）、花立公園桜まつり（4月）、北郷温泉広渡まつり（8月）、潮嶽神社秋の例大祭（11月）、郷之原神社秋の奉納祭（11月）、産業文化まつり（11月）など、年間を通して様々な祭事・催事が開催されていました。

まとめ

北郷町は、自然豊かな山々に囲まれ、林業と農業が盛んな町でした。歴史と文化が息づき、多くの観光スポットがありました。現在では日南市の一部となっていますが、その美しい景観と豊かな自然は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

もう一度検索