千葉大学文学部

概要

千葉大学文学部（ちばだいがくぶんがくぶ、英称: Faculty of Letters）は、千葉大学に設置されている主要な学部の一つです。その起源は古く、前身である千葉師範学校と千葉青年師範学校の流れを汲んでいます。大学が発足した1949年に学芸学部として設立され、これは千葉大学の学部の中で最も長い歴史を有しています。翌1950年には東京医科歯科大学予科を統合し、学芸学部は文理学部と教育学部に再編されました。この時、文理学部の中に人文科学部門が設けられています。その後、1968年には文理学部から人文学部へと改組され、1981年に現在の文学部へと名称が変更されました。

文学部では、学際性と国際性を重視した少人数教育を特色としています。これは、学生一人ひとりにきめ細やかな指導を行い、深い学識と広い視野を培うことを目的としています。教育を通じて、高度な専門知識を持つ研究者や、多様な社会で活躍できる優れた職業人の育成を目指しています。大学院課程についても、文学研究科（修士課程）の設置（1985年）、社会文化科学研究科（後期博士課程）の設置（1995年）などを経て発展し、2006年には大学院人文社会科学研究科（博士前期・後期課程）に、さらに2017年には大学院人文公共学府へと改組され、人文科学専攻や人文公共学専攻といった専攻が設けられています。

2016年には学部内の教育組織が再編され、行動科学科、史学科、日本文化学科、国際言語文化学科の各学科が「人文学科」へと統合されました。人文学科の下には、旧学科に対応する形で、行動科学コース、歴史学コース、日本・ユーラシア文化コース、国際言語文化コースの4つのコースが設置され、学生はそれぞれの興味や関心に応じて専門分野を深く学ぶことができる体制となっています。

沿革

千葉大学文学部の発展は、幾多の重要な転換期を経て現在の形に至っています。

1949年: 千葉師範学校と千葉青年師範学校の統合により、千葉大学学芸学部として設立されました。
1950年: 東京医科歯科大学予科を吸収統合。学芸学部は、文理学部と教育学部に改組されました。
1968年: 文理学部が人文学部と理学部に分離、改組されました。
1972年: 人文学部に専攻科が設置されました。
1981年: 人文学部が文学部と法経学部に再編され、現在の文学部が発足しました。
1985年: 人文学部専攻科が廃止され、大学院文学研究科（修士課程）が新たに設置されました。
1995年: 大学院社会文化科学研究科（後期3年博士課程）が設置されました（この研究科は2014年に廃止）。
2006年: 大学院の主要な改組が行われ、文学研究科、社会科学研究科、社会文化科学研究科を統合・再編し、大学院人文社会科学研究科（博士前期・後期課程）が設置されました。
2016年: 学部組織の大きな改編が実施されました。行動科学科、史学科、日本文化学科、国際言語文化学科が人文学科に統合され、その下に4つのコースが新設されました。
2017年: 大学院人文社会科学研究科が改組され、大学院人文公共学府（博士前期・後期課程）が設置されました。

学科・コース

現在の千葉大学文学部は、人文学科の下に以下の4つのコースを設けています。入学定員は170名です。

行動科学コース
歴史学コース
日本・ユーラシア文化コース
国際言語文化コース

著名な出身者

千葉大学文学部は、様々な分野で活躍する多くの卒業生を輩出しています。

マスコミ分野では、朝日新聞社社長を務めた渡辺雅隆氏や、日本経済新聞社元編集局次長の鹿嶋敬氏。元福島民友新聞社デスクの藍原寛子氏などがいます。また、ドリマックス・テレビジョンのディレクターである塚原あゆ子氏、元講談社常務取締役で元『群像』編集長の徳島高義氏なども文学部の出身です。

研究分野では、哲学者の青山拓央氏（京都大学准教授）、歴史学者の姉川雄大氏（長崎大学准教授）、心理学者の市原茂氏（首都大学東京名誉教授）や椎名健氏（筑波大学名誉教授）、長田雅喜氏（名古屋大学名誉教授）、島宗理氏（法政大学教授）、鈴木光太郎氏（新潟大学教授）、関塚麻由氏（秀明大学専任講師）、野口薫氏（千葉大学名誉教授）。アメリカ文学者の江田孝臣氏（早稲田大学教授）や波戸岡景太氏（法政大学教授）。仏文学者の土田知則氏（千葉大学名誉教授）。社会学者の土屋葉氏（愛知大学教授）や南田勝也氏（武蔵大学教授）。トルコ研究者の永田雄三氏（元東京外国語大学教授）。民俗学者の俵木悟氏（成城大学教授）。日本語学者の深澤愛氏（近畿大学准教授）。認知科学者の藤井都百氏（九州大学准教授）。日本近世史家の藤田覚氏（東京大学名誉教授）。哲学者の藤村龍雄氏（東京水産大学名誉教授）、柴田正良氏（金沢大学教授）、中村隆文氏（神奈川大学教授）、吉永敦征氏（山口県立大学准教授）。情報倫理学者の吉永敦征氏。環境倫理学者の吉永明弘氏（法政大学教授）。英語学者の吉野利弘氏（立教大学名誉教授）。言語学者の西嶋義憲氏（金沢大学教授）。精神病理学者の増野肇氏（ルーテル学院大学名誉教授）。文化研究者の渡部周子氏（島根県立大学准教授）など、多岐にわたる専門分野で研究者として活躍する人材を数多く輩出しています。

文化分野では、小説家の浮穴みみ氏や芦沢央氏。作家の式貴士氏、少女小説家の佐藤ちあき氏。俳人の橋本榮治氏、漫画家の中島諭宇樹氏などが文学部の出身です。

芸能分野では、お笑いタレントとして活動する大久保佳代子氏（オアシズ）や都留拓也氏（ラパルフェ）。落語家の桂右女助氏、尺八奏者の神永大輔氏がいます。

その他の分野では、Unipos創業者・CEOの田中弦氏、テレビ東京アナウンサーの繁田美貴氏、元山陽放送アナウンサーの末田倫子氏、牧師の坂本献一氏などが著名な出身者として挙げられます。

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