千葉泰胤

千葉泰胤（ちば やすたね）

千葉泰胤は、鎌倉時代中期に活躍した武将で、鎌倉幕府の御家人として知られています。千葉成胤、または胤綱を父に持ち、詳細な系譜については千葉時胤の記録を参照する必要があります。彼は、北条氏得宗家当主であり、鎌倉幕府第3代執権である北条泰時より一字を賜り、「泰胤」と名乗ったと考えられています。

泰胤は、下総国千田荘を領有し、「千田」を称して千田氏の祖となりました。また、奥州千葉氏の祖としてもその名を残しています。彼は、幼くして千葉氏の当主となった甥の頼胤を後見し、自らの娘を頼胤の妻として迎え入れ、その後の千葉氏の発展に大きく貢献しました。

頼胤が千葉氏を継承した当初は、同族の千葉秀胤が評定衆に任じられ、大きな勢力を持っていました。しかし、宝治合戦で秀胤が三浦氏に味方して滅亡すると、北条氏と縁組を結んでいた泰胤が、千葉氏内での影響力を増大させました。幼い当主に代わり、後見人として千葉氏の再編を主導し、一族の信仰対象であった妙見菩薩を千葉氏宗家および一族の守護神とする「妙見説話」の制作にも関与したとする説があります。

『吾妻鏡』には、将軍の外出に供奉したり、犬追物の射手を務めた記録が残されています。建長2年（1250年）には、将軍近習結番に選ばれるなど、幕府内でも重要な役割を担っていたことが伺えます。泰胤は、下総に千田荘や八幡荘などの領地を所有していただけでなく、肥前国小城郡の地頭職にも任じられていました。肥前国小城郡の領地は、下総の領地と共に娘婿である頼胤に継承され、頼胤の嫡男である宗胤を通じて、小城郡のみが宗胤の次男である胤泰へと伝えられ、その後の九州[[千葉氏]]の拠点となりました。

参考資料

北条氏研究会 編『北条氏系譜人名辞典』新人物往来社、2001年。ISBN 4-404-02908-X。
丸井敬司『千葉氏と妙見信仰』岩田書院、2013年。ISBN 978-4-87294-794-6。

外部リンク

千田泰胤

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