南郷町 (宮崎県)

南郷町について

南郷町（なんごうちょう）は、宮崎県の南部、南那珂郡に位置していた町です。2009年3月30日に日南市・北郷町と合併し、新設された日南市の一部となりました。なお、県北部に存在していた南郷村とは異なる自治体です。

地理

南郷町は、宮崎市から南へおおよそ50キロメートルの距離にあり、町土の約60％は山林という特徴を持っています。東側には太平洋が広がっており、美しいリアス式海岸が連なり、魅力的な景観を形成しています。周囲には鯛取山や鹿久山などの山々も存在し、自然が豊かです。隣接していたのは日南市と串間市でした。

歴史

南郷町の歴史は中世に遡り、伊東氏と島津氏の領土争いが繰り広げられました。豊臣秀吉の九州平定後は伊東氏の領地となり、江戸時代には伊東氏飫肥藩の一部として知られていました。廃藩置県の過程では、飫肥県や都城県を経て宮崎県に所属することになりました。1889年には南那珂郡南郷村として設立され、1940年には町制を施行し南郷町として市名を変更しました。その後、1956年には周辺の一部を編入し、2009年に日南市と合併しました。

行政と経済

南郷町の町長は阪元勝久氏で、2003年から2期目を迎えています。経済面では、町の産業の約3割を占める漁業が特に重要であり、カツオやマグロの水揚げ量は日本一と評価されています。また、農業ではミカン類の生産が多く、その他にもメロンやキュウリ、ピーマン、マンゴーなどの施設園芸が行われています。

姉妹都市

南郷町は1992年にアメリカ合衆国ニューハンプシャー州のポーツマス市と姉妹都市提携を結びました。

教育

教育機関も整備されており、高等学校には宮崎県立日南農林高等学校が存在し、さらに町立の中学校や小学校も複数設置されています。具体的には、南郷中学校や榎原中学校、南郷小学校、潟上小学校、榎原小学校が運営されています。

交通

交通手段としては、九州旅客鉄道（JR九州）の日南線が通っており、南郷駅や谷之口駅、榎原駅が利用可能です。また、国道220号や国道448号などの一般国道も通り、交通の便が良い地域です。道の駅には「なんごう」があり、観光客が訪れるキャッチポイントとなっています。

観光スポット

南郷町は観光地としても知られており、栄松ビーチや日南海中公園、大島、虚空蔵島の亜熱帯林などが人気です。それに加えて、南郷城跡や榎原神社などの文化財も訪れる人々に魅力を提供しています。町では、埼玉西武ライオンズのキャンプや、榎原神社大祭、なんごう黒潮まつりなど多彩なイベントが開催され、地域の活気を保っていました。

出身有名人

南郷町には有名人もおり、シンガーソングライターの鬼束ちひろや、元マラソン選手で解説者の谷口浩美などが挙げられます。

まとめ

南郷町はその豊かな自然や文化、歴史を背景に多くの魅力を秘めている町でした。合併によって新たな日南市の一部となった今でも、その特徴は地域に息づいています。

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