南風 (列車)

特急『南風』：四国の雄大な自然を巡る旅

概要

特急「南風」は、JR四国とJR西日本が共同運行する特急列車で、岡山駅と高知駅を結んでいます。瀬戸内海や太平洋、吉野川沿いの絶景を眺めながらの快適な旅が人気で、特に繁忙期には高い乗車率を誇ります。1972年の山陽新幹線岡山駅開業と同時に高松～中村間で運行を開始。四国初の特急列車として誕生しました。当初は宇高連絡船と接続するダイヤでしたが、1988年の本四備讃線開業により岡山駅発着となり、よりアクセスが向上しました。1989年には振り子式車両の2000系気動車を導入。さらに、1997年には土佐くろしお鉄道宿毛線への乗り入れを開始しましたが、2020年3月のダイヤ改正で取りやめとなりました。列車名は、1950年に高松桟橋～須崎間を結ぶ準急列車の愛称として公募で決定されたものが由来です。

運行概況

2022年3月現在、岡山～高知間に14往復が運行されています。一部列車は特急「うずしお」や「しまんと」と併結運転を行い、スムーズな乗り継ぎを実現しています。併結時は「南風」が高知側に連結されるのが原則です。また、「しまんと」と併結しない「南風」は、高松発着の快速列車「サンポート南風リレー号」と接続。多客期には「しまんと」を区間運休し、「南風」を単独運転とするケースもあります。高知駅では特急「あしずり」と接続し、四国内の主要都市へのアクセスも良好です。2019年までは岡山～宿毛間を最速約4時間35分で運行。JR四国最長の特急列車として知られていました。2022年3月からは、下りの最終列車が日付をまたいで運行されるようになり、JR四国において唯一の事例となりました。


停車駅

主要駅に停車し、観光地へのアクセスも容易です。一部列車は、大杉駅にも停車します。

岡山駅 - 児島駅 - 宇多津駅 - 丸亀駅 - 多度津駅 - 善通寺駅 - 琴平駅 - 阿波池田駅 - 大歩危駅 - （大杉駅） - 土佐山田駅 - 後免駅 - 高知駅


使用車両

JR四国所属の2700系気動車が使用されています。かつては2000系気動車も使用されていましたが、2021年3月からは2700系に統一されました。全列車にグリーン席が設置され、快適な旅を演出しています。5往復は「アンパンマン列車」として運行され、子供たちに大人気です。ただし、善通寺駅や大歩危駅などでは、ホームの長さの関係でドアカットが行われる場合があります。


過去の使用車両

・2000系気動車 (1990年7月30日 - 2021年3月12日)
・キハ185系気動車 (1986年11月1日 - 1991年11月21日)
・キハ181系気動車 (1972年3月15日 - 1990年11月20日)


利用状況

「南風」は、高速バスや航空機などとの競合に直面しています。高速道路の延伸や航空路線の増加は、利用者数減少の一因となりました。対抗策として、アンパンマン列車の運行や、お得な乗車券の発売、新幹線との接続改善など、様々な施策が実施されています。高速バスとの競争も激しく、JRは割引きっぷなどで対抗しています。


臨時列車：ウィークエンドエクスプレス高知

金曜日と土曜日に運行されていた臨時列車です。土佐山田駅と須崎駅を結んでおり、JRグループ最短距離の特急列車として知られていました。2009年3月のダイヤ改正で廃止されました。


土讃線優等列車沿革

戦後から現在までの土讃線における優等列車の歴史を詳細に記述。準急から急行、そして特急へと進化する過程、様々な列車名が登場し、運行形態の変化をたどる興味深い内容となっています。 特に、1950年代から1970年代にかけての準急・急行列車の変遷は、鉄道史を紐解く上でも貴重な資料となっています。 宇高連絡船との接続、気動車への置き換え、路線延伸による影響などが詳細に記されています。


結論

特急「南風」は、四国と本州を結ぶ重要な交通手段であり、地域経済にも大きく貢献しています。 競争の激しい状況の中でも、快適な運行と魅力的なサービスを提供し続けることで、多くの利用客に愛され続けています。 今後の更なる発展にも期待がかかります。

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