本四備讃線

本四備讃線

本四備讃線は、岡山県倉敷市の茶屋町駅から瀬戸大橋を渡り、香川県綾歌郡宇多津町の宇多津駅に至る、西日本旅客鉄道（JR西日本）と四国旅客鉄道（JR四国）が運営する幹線です。1988年に開通し、瀬戸内海を跨ぐ瀬戸大橋を介して本州と四国を結び、旅客・貨物輸送において重要な役割を果たしています。

宇野線・予讃線の一部と合わせて岡山駅 - 高松駅間は「瀬戸大橋線」という愛称で呼ばれており、公式な案内や報道では「瀬戸大橋線」という名称が一般的に使用されます。

概要

瀬戸大橋は道路（瀬戸中央自動車道）との併用橋であり、本四備讃線は道路の下部を通過します。アプローチ区間は本州側が高架とトンネル、四国側が高架線となっています。

瀬戸大橋は、鉄道施設を含めて日本高速道路保有・債務返済機構が所有しており、JR四国が鉄道施設を借り受けています。JR西日本が保有する区間は、岡山支社の管轄下にあります。2016年3月26日からは、JR西日本区間に青色のラインカラーと「M」の路線記号が導入されています。一方、JR四国区間にはラインカラーの設定はありません。

全線でICOCAおよびSHIKOKU ICOCAが利用可能です。児島駅 - 宇多津駅間には加算運賃が設定されており、これは瀬戸大橋の維持費等に充当されています。

路線データ

管轄・路線距離：全長31.0km
JR西日本：茶屋町駅 - 児島駅間 12.9km
JR四国：児島駅 - 宇多津駅間 18.1km
JR貨物：茶屋町駅 - 児島駅 - 宇多津駅間 (31.0km)
軌間：1067mm
駅数：6（起終点駅含む）
JR西日本：5
JR四国：1（児島駅除く）
複線区間：全線
電化区間：全線（直流1500V）
閉塞方式：自動閉塞式
最高速度：
茶屋町駅 - 児島駅間 130km/h
児島駅 - 宇多津駅間 120km/h
運転指令所：
茶屋町駅 - 児島駅間 中国総合指令所岡山指令所
児島駅 - 宇多津駅間 高松指令所

沿線概況

茶屋町駅からしばらくは宇野線と並走し、その後、蟻峰山トンネル、福南山トンネル、児島トンネルと連続するトンネルを通過します。児島トンネルを抜けると瀬戸内海が広がり、繊維産業で有名な児島駅に到着します。ここからJR四国の区間に入り、鷲羽山の山麓を進み、瀬戸大橋を渡ります。瀬戸大橋上では、騒音対策のため速度を落として運転されます。

四国に入ると工業地帯を通過し、宇多津駅へと至ります。全線にわたり、橋梁・高架・トンネルが多いため、地平を走行する区間や踏切は存在しません。

運行形態

本四備讃線を経由する列車は、全て岡山駅から直通運転を行っています。

旅客列車
特急「しおかぜ」：岡山駅 - 伊予西条駅・松山駅間
特急「南風」：岡山駅 - 高知駅間
寝台特急「サンライズ瀬戸」：東京駅 - 高松駅間
快速「マリンライナー」：岡山駅 - 高松駅間

快速「マリンライナー」や寝台特急「サンライズ瀬戸」は宇多津駅を通過しますが、運賃計算は宇多津駅経由となります。
貨物列車

歴史

1988年3月20日：茶屋町駅 - 児島駅間が暫定開業。
1988年4月10日：児島駅 - 宇多津駅間と坂出駅への短絡線が開業。
2007年9月1日：茶屋町駅 - 児島駅間でICOCAが利用可能に。
2014年3月1日：児島駅 - 宇多津駅間および坂出駅への短絡線でICOCAが利用可能に。
2020年9月：駅ナンバーが導入。
2024年11月10日：瀬戸大橋上で架線が切断する事故が発生。
2025年3月15日：茶屋町駅 - 児島駅間の普通列車でワンマン運転を開始。

国鉄再建に係る本四備讃線建設中止問題

建設当時、国鉄の経営状況から本四備讃線の建設中止が検討されましたが、四国側の政治家などの働きかけにより、建設は継続されることとなりました。

駅一覧

快速「マリンライナー」は宇多津駅構内の短絡線を経由し、ホームには停車しません。

脚注

注釈
出典

関連項目

日本の鉄道路線一覧
本州四国連絡橋

外部リンク

瀬戸大橋線：JR西日本 列車走行位置

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