古峰山

古峰山（こがらさん）

古峰山（こがらさん）は、新潟県南魚沼市姥沢新田にそびえる標高710メートルの里山です。この山は、その比較的穏やかな姿とは裏腹に、地域の歴史や文化、そして信仰と深く結びついています。

地理と周辺環境

古峰山の山体は、神字川（こうじがわ）と姥沢川（うばざわがわ）という二つの清流に挟まれるように位置しています。その麓には、「台原（だいはら）」と呼ばれる広大な地域が広がります。標高およそ400メートルに位置するこの台原は、名高い魚沼産コシヒカリの栽培地として知られており、特にその中でも標高の高い栽培地帯として、高品質な米づくりが行われています。

歴史と山名の由来

古峰山は、かつて日本百名山の一つである巻機山（まきはたやま）へ向かう「巻機権現登山道」の一部として、重要な役割を担っていました。多くの修験者や登山者がこの山を通り、峻険な巻機山を目指したと考えられています。

「古峰山」という山名には、興味深い由来があります。江戸時代、この地方の有志たちが、遠く離れた栃木県鹿沼市にある古峯神社（ふるみねじんじゃ）へ参拝に出かけました。無事に帰郷した後、彼らはその信仰心の発露として、古峰山の山頂に古峯神社の神を祀ったと伝えられています。以来、この山は古峯神社にちなんで「古峰山」と呼ばれるようになったのです。現在でも、当時の有志の子孫たちが、毎年この山で祭りを開催したり、登山道の整備を行ったりと、山と共に生きる文化を大切に守り続けています。

登山コース

古峰山への登山は、比較的短時間で楽しめる里山登山として親しまれています。主な登山道は二つあります。

台原コース: 神字川沿いを進むルートです。登山口から山頂までの所要時間はおよそ1時間です。
学校林コース: 姥沢川沿いに設けられたルートです。こちらも登山口から山頂まで、およそ1時間で到達できます。

いずれのコースも、標高差が大きくなく、整備されているため、初心者でも比較的容易に登ることができます。山頂からは、南魚沼の豊かな自然や集落を一望できます。

アクセス

古峰山へのアクセスは、車でも公共交通機関でも可能です。

車の場合: 関越自動車道塩沢石打インターチェンジから、新潟県道28号塩沢大和線を経由し、国道291号を利用して約20分で登山口方面に到着します。
公共交通機関の場合:
上越新幹線越後湯沢駅から、上越線または北越急行ほくほく線に乗車し、六日町駅まで約21分です。
六日町駅からは、タクシーを利用すると約20分で登山口に到着します。
* また、南越後観光バスの沢口行に乗車し、約30分で沢口停留所に到着します。沢口停留所からは、徒歩で約30分かけて登山口へ向かいます。

関連情報

古峰山の周辺には、南魚沼市立第二上田小学校や槻岡寺（つきおかでら）といった地域の施設や歴史的な場所があります。これらの場所も、古峰山と共に地域の文化や景観を形作っています。

古峰山は、その名の由来となった古峯神社との繋がりを今に伝える信仰の山であり、また、かつて巻機山への道として多くの人々が行き交った歴史を持つ山です。そして現代においては、手軽に登れる里山として、地域住民や訪問者に親しまれています。麓の台原で育まれる米と共に、古峰山は南魚沼の地に根差した、多様な顔を持つ山と言えるでしょう。

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