古川町 (川崎市)

神奈川県川崎市幸区古川町

古川町は、神奈川県川崎市幸区の中央部に位置する町名で、丁目は設定されていません。面積は15.08ヘクタールで、住居表示は未実施です。

地理

幸区のほぼ中央、多摩川の自然堤防に沿って湾曲した平坦な地形が特徴です。周辺は住宅地として利用されています。北東端で下平間や小向西町、東端で戸手本町、南西端から西端にかけて塚越と隣接しています。これらの町域はすべて幸区内にあり、古川町は区境や市境には接していません。

地価

2024年1月1日時点の公示地価によると、古川町42-2の地点で390,000円/m²となっています。

歴史

江戸時代

古川町の開発時期は不明ですが、江戸時代初期にはすでに「古川村」という名前が見られます。多摩川を挟んだ対岸の荏原郡にも古川村があったため、「戸手古川」と呼ばれて区別されていました。

古川村は当初天領でしたが、1717年に徳川家継の御霊屋料として増上寺に寄進されました。村高は79石3斗余りで、1694年以降は川崎宿の大助郷が課されていましたが、増上寺領となった後は免除されました。土地は旧河道であり、水田は深い泥田でした。用水は二ヶ領用水から分流した大師河原用水を利用していましたが、1771年には水争いも発生しています。副業として梨の栽培が行われ、幕末には織機や荷車なども作られていました。

明治時代以降

明治維新後、古川村は神奈川県に属し、御幸村を経て川崎市となりました。20世紀初頭には二ヶ領用水を利用した製氷が行われた一方、梨栽培は病害により衰退。養蚕やその他の果樹栽培も大正末期までには行われなくなり、水田中心の農地となりました。戦前までは戸数は15戸程度でしたが、戦時中に軍需産業の従業員宿舎が建設され、戦後の耕地整理を経て宅地化が急速に進みました。

地名の由来

地名は、多摩川の古い流路に位置することに由来します。

沿革

江戸時代初期: 古川村が成立。
1694年: 川崎宿の大助郷となる。
1717年: 増上寺領となる。
1771年: 大師河原用水をめぐる水争いが勃発。
1868年: 明治維新。神奈川県に属する。
1874年: 大区小区制施行により、第4大区第6小区に属する。
1889年: 町村制施行により、御幸村が成立。古川はその大字となる。
1919年: 電灯がともる。
1922年: 水道が通る。
1924年: 御幸村などが合併し、川崎市が成立。川崎市古川となる。
1930年: 耕地整理組合が発足。
1945年: 川崎大空襲の被害を受ける。
1948年: 川崎市立古川小学校が開校。
1951年: 耕地整理により、古川町となる。
1972年: 川崎市が政令指定都市に移行。川崎市幸区古川町となる。

世帯数と人口

2024年9月30日現在の世帯数と人口は川崎市が発表した通りです。

人口の変遷

国勢調査による人口の推移は別途資料をご参照ください。

世帯数の変遷

国勢調査による世帯数の推移は別途資料をご参照ください。

学区

2023年12月時点での市立小・中学校の学区は以下の通りです。

事業所

2021年経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りです。

事業所数の変遷

経済センサスによる事業所数の推移は別途資料をご参照ください。

従業員数の変遷

経済センサスによる従業員数の推移は別途資料をご参照ください。

施設

川崎市立古川小学校
川崎市立古川保育園
学校法人ひかり学園第二ひかり幼稚園
神明神社
古川町さくら公園

その他

日本郵便
郵便番号: 212-0025（集配局: 川崎港郵便局）
警察
町内の警察の管轄区域は以下の通りです。

関連項目

古川町 (曖昧さ回避))
古川通 (川崎市)) - 川崎区の川崎駅近くにあった町名。古川町と同様、多摩川の古い川筋に由来する。1992年に日進町に編入され消滅。

脚注

参考文献

『川崎の町名』日本地名研究所 編、川崎市、1995年。
『川崎地名辞典（上）』日本地名研究所 編、川崎市、2004年。
* 『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』角川書店、1984年。

もう一度検索