古賀志町

古賀志町：歴史と自然が織りなす魅力的な町

古賀志町は、栃木県の中央部に位置し、宇都宮市と鹿沼市にまたがる地域です。かつては宇都宮市の一部でしたが、1957年に一部が鹿沼市に編入されたことにより、現在では同名の二つの町が存在しています。両町とも鹿沼土の産地として有名で、多くの乾燥場や工場が立地しています。2020年時点の人口は、宇都宮市側が614人、鹿沼市側が54人です。

古賀志町の地理と地質

古賀志町は、古賀志山の南麓から武子川の左岸に広がる地域です。北部は丘陵地帯で、集落は主に南部に形成されています。宇都宮市と鹿沼市の古賀志町は隣接しており、1957年までは鹿沼市側の古賀志町は宇都宮市古賀志町の一部でした。さらに、1949年までは鹿沼市高谷も古賀志町の一部でした。

地質調査によると、この地域は厚いローム層と鹿沼土層、そしてその下に凝灰質砂岩の岩盤が確認されています。この鹿沼土は、古賀志町の経済活動において重要な役割を担っています。

古賀志町を取り巻く自然環境としては、古賀志山、御岳山、赤岩山などの山々と、武子川、白石川などの河川があります。

古賀志山とアウトドアアクティビティ

標高583mの古賀志山は、低山ながら岩場が多く、変化に富んだ登山道が魅力です。鎖場やハシゴもあり、登山者、クライマー、ハイカーに人気です。足尾山地の一部ですが、開析が進んだため独立峰のように見えます。山頂付近の岩場はチャートや珪岩、森林帯は関東ローム層で構成されています。

古賀志山は、登山、ハイキング、ロッククライミング、パラグライディングなど、多様なアウトドアアクティビティの拠点となっています。スカイパーク宇都宮パラグライダースクールとAKAIWAパラグライダースクールがあり、体験フライトからライセンス取得まで幅広く対応しています。

古賀志山の男滝、女滝、大日窟、赤岩山の風穴などは、古くから地元住民にとって聖地とされ、古賀志山は自然信仰の対象でした。

古賀志石

古賀志山の南東にある黒石山では、古賀志石と呼ばれる凝灰角礫岩が産出されていました。墓石、石仏、石鳥居などに利用され、昭和10年代に採掘は終了しました。採掘場の跡地には、石積みの石垣が残っています。

教育

宇都宮市古賀志町には、宇都宮市立城山西小学校があります。校内には孝行息子の伝説が残る孝子桜や、松尾芭蕉と河合曾良の句碑があります。

古賀志町の歴史

中世

「こがし」という地名は、日光男体山頂遺跡から出土した経筒に「故賀志」と記されているのが初出です。古賀志では、宇都宮氏が後北条氏やその傘下の勢力と対立し、古賀志の合戦が二度発生しました。これらの合戦は、古賀志の近くに多気城が築かれていたことが背景にあります。

近世

近世には下野国河内郡に属する古賀志村でした。領主は頻繁に交代し、村高も変遷しています。日光例幣使街道の助郷も務めました。天保期には、農家の他に、大工、石工など様々な職種の人々が暮らしていました。名主を務めた文大夫は宇都宮氏の重臣の子孫で、兵法の師範でもありました。戊辰戦争の際には、古賀志村と岩崎村の境である白石口が会津藩の見張り場となりました。

近代以降

明治時代には、町村制施行により城山村大字古賀志となります。1949年には、満州からの引揚者を受け入れ、原山地区が開拓されました。1954年には宇都宮市に編入され、1957年には一部が鹿沼市に編入、現在の行政区分となりました。その後、ゴルフ場やパラグライダースクールが開設され、観光やレジャーの拠点として発展を遂げています。

古賀志町名の由来

町名の由来にはいくつかの説があります。カシの木、崩壊地形、広い空閑地、そして「崩処石」の転訛など、様々な説が伝えられています。

古賀志町の経済

宇都宮市古賀志町の経済

宇都宮市古賀志町の主要産業は農業です。その他、製造業、建設業なども存在します。多くの事業所は従業員数4人以下の小規模事業所です。農業は稲作が中心ですが、果樹栽培も盛んで、フルーツパーク古賀志など、果物狩りのできる農園もあります。

鹿沼市古賀志町の経済

鹿沼市古賀志町も農業が主要産業です。事業所数は少なく、小規模事業所が中心です。

鹿沼土生産

古賀志町を含む地域は、鹿沼土の主要産地です。赤城山から噴出した軽石が堆積した地層から、鹿沼土が採取され、乾燥、選別、袋詰めを経て出荷されています。乾燥場や工場は、古賀志町から仁神堂町、千渡の台地区にかけて集中しています。

交通

古賀志町へのアクセスは、宇都宮市街、東北自動車道鹿沼IC、宇都宮ICから車で約20分です。鉄道は通っておらず、最寄りの駅は東武日光線北鹿沼駅、板荷駅、JR日光線鹿沼駅、文挟駅などになります。バス路線は限定的ですが、乗合タクシーが運行されています。

施設

古賀志町には、小学校、建設会社、石材加工業、果樹園、パラグライダースクール、森林公園、ゴルフ場などの施設があります。また、神社仏閣も数多く存在します。

神社仏閣

古賀志町には、日吉神社、稲荷神社、招魂社、鶏渡権現、星宮、薬師堂など、歴史のある神社仏閣が多数存在します。また、廃寺となった古加志山宝厳寺弘蔵院や西善寺の跡地も残っています。

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