台湾総督府鉄道400形蒸気機関車
台湾鉄路管理局CK100形蒸気機関車（旧400形）
台湾鉄路管理局CK100形蒸気機関車は、日本統治時代の台湾総督府鉄道が導入した400形蒸気機関車を、戦後に改称したものです。この機関車は、2気筒単式の過熱式タンク機関車であり、その設計と運用は、当時の台湾鉄道における技術進歩を象徴するものでした。
概要
1910年代、日本国内で過熱式蒸気機関車の国産化が進む中、台湾でも国産機関車の導入が求められました。当時、台湾総督府鉄道では、汽車製造製の50形（後のCK50型）が主力として使用されていましたが、その改良型として400形が導入されることとなりました。400形は、1917年度に4両、1919年度に4両の計8両が製造されました。
構造
400形は、200形、300形と共に初期の過熱式機関車であり、50形の設計を踏襲しています。車軸配置は2-6-2（1C1）で、第2動輪はフランジレスでした。飽和蒸気を使用していた50形に対し、400形は過熱蒸気を使用することで性能が向上しました。1917年7月に運用が開始されると、石炭消費量の削減と運転速度の向上で乗務員にも好評でした。
主要諸元
- - 全長：11,405mm
- - 全高：3,596mm
- - 軌間：1,067mm
- - 車軸配置：2-6-2 (1C1)
- - 動輪直径：1,250mm
- - 弁装置：ワルシャート式
- - シリンダー（直径×行程）：406mm×559mm
- - ボイラー圧力：13.0kg/cm2
- - 火格子面積：1.20m2
- - 全伝熱面積：82.4m2
- - 過熱伝熱面積：18.6m2
- - 全蒸発伝熱面積：63.8m2
- - 煙管蒸発伝熱面積：57.7m2
- - 火室蒸発伝熱面積：6.1m2
- - 大煙管（直径×長さ×数）：127mm×3,962mm×12本
- - 小煙管（直径×長さ×数）：45mm×3,962mm×70本
- - 機関車運転整備重量：48.78t
- - 機関車空車重量：41.16t
- - 機関車動輪上重量：37.09t（運転整備時）
- - 機関車動輪軸重（最大）：14.07t（第2動輪上）
- - 水タンク容量：6.8m3
- - 燃料積載量：1.80t
- - シリンダ引張力：8,120kg
運用
日本統治時代
当初、400形は台北と基隆に配置され、宜蘭線北部で使用されました。8両が揃うと、台中や嘉義にも配置され、50形と共に幹線で使用されました。タンク式で2-6-2という車軸配置は、前進だけでなく後進運転にも便利であり、500形などの大型テンダー機関車が導入されると、支線区へ移っていきました。1926年には基隆に5両、台中に3両が配置されていました。1937年にC12形が登場すると、大半が北部に移り、八堵 - 宜蘭間や平渓線で活躍しました。また、1両のみが高雄に残り、高雄臨港線や屏東線で使用されました。
戦後
戦後、400形はCK100型（CK101 - CK108）と改称され、タンク機関車の一形式として運用されました。40年間は、平渓線や新店線などの北部の支線で、C12形と共に客貨両用として活躍しました。しかし、老朽化が進み、鉄道の電化が始まった1974年12月1日に退役し、その約60年の歴史に幕を閉じました。
保存
1979年に電化工事が完了すると、全ての蒸気機関車が退役しました。CK101は鉄道博物館で保存されていましたが、その後、嘉義機関区の扇形庫へ移動しました。嘉義機関区扇形庫が取り壊しとなった際、台北機廠で整備を受け、1998年6月9日の鉄路節に動態保存機関車として復活しました。現在は、彰化駅西北にある彰化扇形庫で保存されています。
同形機
常総鉄道8形 (8, 9)
1924年12月に常総鉄道が汽車製造で製造した、車軸配置2-6-2（1C1）のタンク機関車です。外観はCK100形と非常によく似ていますが、こちらは飽和式で、ボイラーが若干細めでした。運転整備重量は47.5t、動輪直径は1,245mmです。9は1958年に廃車となりましたが、8は1960年代後半まで使用されました。
参考文献
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。