平渓線

平渓線：台湾の秘境を走るローカル線

台湾新北市瑞芳区の三貂嶺駅から平渓区の菁桐駅を結ぶ平渓線は、台湾鉄路管理局が運営する魅力的なローカル線です。全長12.9kmの短い路線ながら、その歴史と風光明媚な景観、そして独特の雰囲気から、多くの観光客を魅了しています。

渓谷美とレトロな雰囲気

平渓線は、その名の通り渓谷沿いを走り、車窓からは雄大な自然を満喫できます。特に週末には、人気の観光スポットである十分瀑布を訪れるハイカーなど多くの人で賑わいを見せます。一方、平日は静寂に包まれ、ゆったりとした時間の中で、台湾の自然と歴史に浸ることができます。線路沿いには、趣のある商店が立ち並び、列車が商店街の中央を走る様子は、独特の風景を作り出しています。

かつては「平渓耶馬渓」と呼ばれたこの渓谷は、近年では日本の鉄道ファンから「台湾の保津峡」と称されるほど、その美しい景観が広く知られるようになりました。 緑豊かな山々、そして清流が織りなす風景は、まさに絶景と言えるでしょう。

国際交流と歴史

平渓線は、日本の江ノ島電鉄との交流事業でも知られています。2013年から一日乗車券の相互利用を開始し、さらに2014年には観光促進協定を締結するなど、国際的な繋がりを持つ路線でもあります。これは、日台の鉄道間の連携強化を象徴する取り組みと言えるでしょう。他にも、いすみ[[鉄道]]と集集線との交流事例など、台湾と日本の鉄道の繋がりを深める動きが活発化しています。

平渓線の歴史は古く、その起源は日本統治時代の菁桐坑の炭鉱開発に遡ります。1919年に台陽鉱業株式会社が敷設した専用[[鉄道]]が前身で、1921年7月に開業しました。当初は地盤の悪さなどによりルート変更を余儀なくされましたが、1923年に三貂嶺～菁桐坑間が全線開通しました。その後、1929年に台湾総督府鉄道に買収され、平渓線として正式に運行を開始しました。この際、2両のタンク式蒸気機関車が台湾総督府鉄道籍に編入されています。

路線データと運行形態

運行形態は区間車のみで、宜蘭線の瑞芳駅を経由し、深澳線との直通運転も行われています。使用車両はDR1000型気動車です。

沿線の名所

平渓線沿線には、多くの観光スポットがあります。

十分瀑布: 迫力満点の美しい滝。
新平渓炭鑛跡: 炭鉱の歴史を伝える博物館とトロッコの運行があります。
平渓老街、菁桐老街: レトロな街並みが魅力の観光地。
平渓天灯節: 一年に一度開催される、幻想的な天灯を飛ばすお祭り。

平渓線は、美しい自然と歴史、そして国際交流といった要素を兼ね備えた、魅力あふれる路線です。台湾を訪れた際は、ぜひ一度乗車して、その魅力を体感してみてください。

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