吹上町小野

吹上町小野（ふきあげちょうおの）

鹿児島県日置市に位置する吹上町小野は、東シナ海に面した自然豊かな地域です。この地域は、かつて阿多郡伊作郷に属し、その歴史は古く、中世には島津荘の一部であり、その後伊作氏の所領となりました。現代では日置市の一部として、その静かな佇まいを保っています。

地理

吹上町小野は、日置市の南部に位置し、小野川の下流域に広がっています。北から東にかけては吹上町永吉、南は吹上町花熟里と吹上町田尻に隣接し、西は東シナ海に面しています。地形は、小野川周辺には水田が広がり、その他の地域は台地となっています。海岸沿いには松林が連なり、美しい景観を作り出しています。地域の中央部には国道270号が走り、交通の便も確保されています。

歴史

中世

平安時代末期、この地域は島津荘寄郡の一部でした。文治3年（1187年）には、平重澄に寄進され、翌年には伊作庄に含まれるようになりました。小野という地名の初見は、嘉暦2年（1327年）の「伊作荘預所見参料請取状」に見られ、当時から伊作荘の名田として重要な場所であったことが伺えます。

近世

江戸時代には、薩摩国阿多郡伊作郷に属していました。村高は時代によって異なり、「天保郷帳」では720石余、「三州御治世要覧」では484石余、「伊作名勝志再撰帳」では449石余、「旧高旧領取調帳」では444石余と記録されています。

近代

1889年（明治22年）の町村制施行により、伊作村の一部となり、大字「小野」となりました。1922年（大正11年）には伊作村が町制を施行し、伊作町となりました。1955年（昭和30年）には伊作町と永吉村が合併し、吹上町が誕生、吹上町の大字となりました。そして、2005年（平成17年）に吹上町が伊集院町、東市来町、日吉町と合併し、日置市となり、現在に至ります。

交通

地域の中央を国道270号が通過しており、交通の要所となっています。かつては鹿児島交通枕崎線が運行しており、最寄りの駅として永吉駅と吹上浜駅がありましたが、1984年の路線廃止に伴い、現在は利用できません。

現在の状況

2020年10月1日現在、吹上町小野の人口は356人、世帯数は97世帯です。小中学校の学区は、日置市の市立小中学校が指定されています。豊かな自然と歴史が息づくこの地域は、静かで穏やかな生活が営まれています。

河川

小野川

参考文献

『日本歴史地名体系 47 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 4-582-49047-6
角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店、1983年。ISBN 978-4040014609

関連項目

小野 (曖昧さ回避)
* 吹上町 ([[鹿児島県)]]

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