呉服町 (鹿児島市)

鹿児島市呉服町について

呉服町は、鹿児島県鹿児島市の中央部に位置する町です。かつては城下町として栄え、現在では商業施設が集まる繁華街の一部を形成しています。この記事では、呉服町の歴史、地理、産業、施設について詳しく解説します。

地理

呉服町は、鹿児島市の中央部、甲突川の下流域に位置しています。周辺は、北に中町、南に船津町、東に大黒町、西に千日町と隣接しており、これらの町とともに鹿児島市の主要な商業地区を形成しています。町内には鹿児島市電の電停はありませんが、北側には市電が通っています。また、国道225号が町の中心部を南北に縦断し、いづろ中央交差点からは鹿児島県道21号鹿児島中央停車場線が西に延びています。

歴史

呉服町の成立

江戸時代、呉服町は鹿児島城下の下町の一部でした。宝暦年間の記録には、下町十一町の一つとして呉服町の名が見られます。天保年間に作成された地図にも、中町に続く南北の通りに呉服町が記されています。明治時代初期には、平民が多く住む町人街として賑わい、多くの商業施設が軒を連ねていました。しかし、1877年の西南戦争では、呉服町が火元となり、200戸以上が焼失する被害を受けました。

市制施行以後

1889年、鹿児島市が市制を施行した際、呉服町は鹿児島市の一部となりました。1911年には、隣接する船津町から発生した火災により、呉服町、新町、大黒町など周辺地域で45戸が全焼する被害に見舞われました。1963年には、住居表示が実施され、現在の呉服町の形が確立しました。

人口

2020年4月1日現在の人口は83人、世帯数は67世帯です。国勢調査によると、1995年以降人口は減少傾向にあります。

産業

商業

呉服町は、古くから商業が盛んな地域です。1892年には、丸屋が呉服商として創業し、その後百貨店へと発展しました。1984年には三越と業務提携し、三越鹿児島店となりましたが、その後、アミュプラザ[[鹿児島]]やイオンモール[[鹿児島]]の開業により売り上げが減少し、2009年に閉店しました。三越鹿児島店の跡地には、複合商業施設「マルヤガーデンズ」がオープンし、天文館の活性化に貢献しています。

施設

商業施設

マルヤガーデンズ

文化施設

ガーデンズシネマ（映画館）

その他

丸屋本社ビル
キク本社ビル

教育機関

呉服町は、以下の小学校、中学校の学区に指定されています。
小学校：鹿児島市立中洲小学校
中学校：鹿児島市立甲南中学校

交通

道路

一般[[国道]]：国道225号
主要地方道：鹿児島県道21号鹿児島中央停車場線

まとめ

呉服町は、鹿児島市の中心部に位置し、歴史と商業の活気が共存する地域です。過去には大規模な火災に見舞われたこともありましたが、そのたびに復興を遂げ、現在の賑わいを取り戻しています。商業施設や交通の要所としての役割は大きく、今後も鹿児島市の発展に貢献していくでしょう。

参考文献

鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅰ』 1巻、鹿児島市、1969年
鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅱ』 2巻、鹿児島市、1970年
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年
「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、1983年
* 芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年

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