和田 (鹿児島市)

鹿児島市和田の歴史と文化

鹿児島市和田は、市の南部に位置する町丁で、旧谿山郡に属していました。現在の人口は約7,000人、3,000世帯以上が暮らしています。和田一丁目から和田三丁目までがあり、住居表示が実施されています。

地理

和田は、鹿児島市南部、和田川下流域に位置し、北に谷山中央、慈眼寺町、南に坂之上、西に下福元町、東に南栄と隣接しています。町域内には、国道225号と鹿児島県道219号が通り、交通の便が良い地域です。教育施設としては、和田川沿いに和田小学校、和田坂に和田中学校があります。

河川

町内には以下の河川が流れています。

木之下川
和田川

町名の由来

「和田」という地名は、海の神であるワタツミ（綿津見神）の名前の一部である「綿（わた）」が訛って「和田」となったと言われています。

歴史

先史時代

和田からは、弥生時代のものとみられる「和田玉林遺跡」が発見されています。弥生土器や石器が出土していますが、遺跡の全体像はまだ解明されていません。

中世

「和田」という地名は、室町時代から見られます。中世には和田村や和田名として記録されており、応永7年（1400年）には島津元久が伊作久義に宛てた書状に「薩摩国谷山郡和田村」と記されています。和田には和田城（別名：玉林城、神前城）があり、山田諸三郎によって築かれました。戦国時代には、島津実久が谷山を領した際に家臣に守らせ、その後、島津貴久が留守を申し付けられたとされています。

近世

江戸時代には、和田村は谿山郡谷山郷に属し、村高は538石から591石の間で変動していました。農村であった和田村には庄屋が置かれ、上福元村の地頭仮屋の管轄下にありました。村域内には山川路（谷山街道）が通り、南部海岸には七ツ島と呼ばれる小島が点在していました。万延元年（1860年）には、和田浜で大火が発生し、多くの家屋が焼失しました。

近代

1889年（明治22年）の町村制施行により、和田村は谷山村の大字「和田」となりました。1924年（大正13年）には谷山村が町制施行し、谷山町の大字となりました。1958年（昭和33年）には谷山町が市制施行し、谷山市となり、和田は大字から「和田町」へと変わりました。1967年（昭和42年）には、谷山市が鹿児島市と合併し、鹿児島市和田町となりました。

現代

1996年（平成8年）には住居表示が実施され、和田町の一部から和田一丁目、和田二丁目が設置されました。2008年（平成20年）には、坂之上地区において住居表示が実施され、和田町の一部が坂之上となりました。2013年（平成25年）には和田地区において住居表示が実施され、和田町の全域及び谷山塩屋町の全域より和田三丁目が設置され、和田町は廃止されました。

地域

人口

1995年以降の国勢調査による人口推移は以下の通りです。

（国勢調査のデータは省略）

施設

公共施設

和田福祉館

教育施設

鹿児島市立和田中学校
鹿児島市立和田小学校
谷山幼稚園
和田保育園
南谷山保育園

郵便局

和田簡易郵便局（1963年設置）

寺社

伊佐智佐神社
妙行寺

学区

市立小中学校の学区は以下の通りです。

和田小学校
和田中学校

川路人道橋が、小・中学校を繋ぐ橋となっています。

交通

道路

国道225号
鹿児島県道219号玉取迫鹿児島港線

出身人物

太田淳昭（宗教家・浄土真宗本願寺派総長）
桑鶴実（谷山市長）

参考文献

谷山市誌編纂委員会『谷山市誌』谷山市、1967年
南日本新聞『鹿児島市史Ⅳ』鹿児島市、1990年
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』鹿児島市、2015年
「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店、1983年
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年

関連項目

* 和田 (曖昧さ回避)

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