品川運転所

品川運転所

品川運転所は、かつて東京都港区に存在した日本国有鉄道（国鉄）および東日本旅客鉄道（JR東日本）の車両基地であり、運転士が所属する組織でした。国鉄時代には、東京発の寝台特急列車をはじめとする多くの客車列車が当運転所の管轄下にありました。

概要

品川運転所は、東京駅開設時に八重洲寄りに併設されていた東京検車所が手狭になったため、その代替として開設されました。具体的には、手狭になった東京検車所が新設された新鶴見操車場へ移転し、その跡地を客車区に転換する形で1942年に品川客車区として開設されました。

国鉄時代は、電車は田町電車区（後の田町車両センター、現在の東京総合車両センター田町センター）、電気機関車は東京機関区、客車は品川運転所というように、車種ごとに配置場所が分かれていました。品川運転所には、寝台特急「あさかぜ」に使用された20系客車や、東海道本線の特急「つばめ」に使用された展望車・スハ44系などが配置されていました。

1986年11月のダイヤ改正により、多くの車両がJR西日本やJR九州の車両基地へ移管されました。国鉄分割民営化後の1994年には車両配置がなくなり、すべての車両が尾久客車区（現在の尾久車両センター）へ移管されました。1999年には品川運転所は閉所し、運転士は田町運転区へ、車両は田町電車区へ統合されました。

略号

配置車両に標記される略号は、以下の通りでした。

客車: 「東シナ」…東京支社の「東」と品川の電報略号「シナ」から構成
1969年から1987年までは東京南鉄道管理局の「南」を用いた「南シナ」と表記

配置車両

国鉄時代

皇室用客車: 書類上の配置。通常は大井工場（現在の東京総合車両センター）内の御料車庫に保管
展望車・スハ44系: 東海道本線の特急「つばめ」用
20系客車: 「あさかぜ」をはじめ、東京から東海道線方面の寝台特急列車に使用
14系客車
24系客車
10系客車
スロ81形・スロフ81形: ジョイフルトレイン（和式客車）。6両1編成で編成愛称はなし

JR東日本時代

12系客車: ジョイフルトレイン「江戸」
14系客車: 「さくら」・「みずほ」の一部、団体・臨時列車用の座席車、ジョイフルトレイン「サロンエクスプレス東京」
24系客車: 「あさかぜ1・4号」・「出雲1・4号」。金帯の車両で構成
ホキ800形貨車: 主に真鶴駅積出の工臨用
オリエント急行: 1988年の来日において本区への所属扱い

歴史

1942年（昭和17年）: 品川客車区として開設
1950年（昭和25年）: 東京鉄道管理局の管轄となる
1969年（昭和44年）: 東京南鉄道管理局の管轄となる
1986年（昭和61年）: 東京機関区と統合し東京運転区に改称
1987年（昭和62年）: 国鉄分割民営化によりJR東日本が継承、品川運転所に改称
1994年（平成6年）: 車両配置がなくなる
1998年（平成10年）: 東京支社の管轄となる
1999年（平成11年）: 品川運転所閉所

現在

品川運転所の留置線と検修庫は田町車両センターの留置線として使用されていましたが、品川駅構内の改良工事に伴い一部の設備が撤去され、検修庫は取り壊されました。現在では、寝台特急「サンライズ瀬戸・サンライズ出雲」に使用される285系電車が東京総合車両センター田町派出に入区し、車内整備を受けています。

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