善如

善如（ぜんにょ）

善如（ぜんにょ）は、南北朝時代に活躍した浄土真宗の僧であり、浄土真宗本願寺派の第4世宗主、真宗大谷派の第4代門首として重要な地位を占めました。彼は大谷本願寺の住職も務め、諱は俊玄、法印権大僧都という僧位にありました。父は第3世覚如の次男である従覚であり、第5世綽如は彼の子です。

生涯

善如の生涯を以下にまとめます。年齢は数え年で示し、日付は文献との整合性を保つため、生歿年月日を除き旧暦（宣明暦）で表記します。南北朝時代の元号は、北朝（京都）のものが用いられています。

正慶2年2月2日（1333年2月24日）: 誕生。
京都の青蓮院で得度し、伯耆守宗康（後に大納言と称する）に師事。幼少の頃から天台宗の教えを学びました。『日野一流系図』には日野俊光の猶子とありますが、俊光は善如が生まれる前に亡くなっています。
観応元年（1350年）: 覚如より本願寺別当職（留守職）を継承。
延文2年（1357年）: 本願寺が勅願寺となります。
延文4年（1359年）: 存覚に歎徳文の再編を依頼。これ以降、報恩講で拝読されるようになります。
永徳2年（1382年）: 南朝の総大将である楠木正勝に浄土真宗を講じました（横玉山定専坊の寺伝による）。
康応元年2月29日（1389年4月4日）: 57歳で死去。跡は子の綽如が第5世として本願寺を継承しました。

業績

善如は、本願寺の基礎を固め、浄土真宗の教えを広めることに大きく貢献しました。特に、存覚に依頼した歎徳文の再編は、後の報恩講における重要な儀式として定着しました。また、南朝の武将である楠木正勝に浄土真宗を講じたことは、その教えが広く社会に浸透していく上で重要な役割を果たしました。

著書

『敎行信證延書』19巻

関連項目

* 親鸞

脚注

善如は、激動の南北朝時代において、浄土真宗の教えを護り、発展させた重要な人物として、その名が歴史に刻まれています。

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