国立台南第一高級中学

国立台南第一高級中学(こくりつ たいなんだいいちこうきゅうちゅうがく)



国立台南第一高級中学は、台湾台南市にある国立の男子高等学校です。一般的に「台南一中」または「南一中」という略称で知られています。1学年あたり19クラス、合計57クラスを擁する大規模な学校で、敷地面積は83,000平方メートルに及びます。

歴史



1922年、日本統治下の台湾において、台湾総督府は植民地教育を推進するために中学校を増設しました。当時の教育制度では、日本語の習熟度に応じて異なる系統の学校が設けられ、一般的に「一」を冠する中学校は日本人や日本語に堪能な台湾人を対象とし、「二」を冠する中学校は主に台湾人を対象としていました。

台南一中は、この時代に「台南州立台南第二中学校」として設立されました。同時期に設立された中学校には、台北二中(現在の成功中学)、台中一中、新竹中学、高雄中学などがあります。

1945年、第二次世界大戦終結に伴い、日本が降伏すると、台南第二中学校は中華民国政府に移管されました。戦後、学校は「台湾省立台南第一中学」と改称され、その後、高中(高等学校)の国営化政策により現在の「国立台南第一高級中学」となりました。戦後初の校長には蘇恵鏗が就任しました。

台南一中は、戦後しばらくの間、台湾南部における優秀な男子生徒が集まる学校として知られていました。男子校という特性から、理工系の分野に強い学風を育みました。近年では、台南や高雄に多くの高等学校が設立され、教育部の進学振興政策により、優秀な生徒を幅広く確保するために共学化が議論されています。

校内には、日本統治時代に建てられたバロック様式の建築物が数多く保存されています。これらの建築物は、第二次世界大戦中に戦災の被害を受けましたが、現在では修復が完了し、台南市指定の文化財として保護されています。

歴代校長



日本統治時代

高橋隆(1922年5月1日 - 1927年3月31日
小形留吉(1927年4月1日 - 1933年3月31日
矢野速吉(1933年4月1日 - 1937年3月31日
後藤義光(1937年4月1日 - 1942年3月31日
今井盛太郎(1942年4月1日 - 1943年1月31日
芝原仙雄(1943年2月1日 - 1945年12月13日

戦後

蘇恵鏗(1945年12月14日 - 1956年7月30日
鄧芝如(1956年8月1日 - 1964年12月27日
金樹栄(1965年2月1日 - 1969年1月31日
李昇(1969年2月1日 - 1983年7月31日
史振鼎(1983年8月1日 - 1990年2月10日
許昭仁(1990年2月11日 - 1990年7月31日)(代理)
黄炎祥(1990年8月1日 - 1998年7月30日
蔡勇(1998年8月1日 - 2001年2月20日
張逸羣(2001年2月21日 - 2009年7月31日
黄運生(2009年8月1日 - 2012年7月31日
張添唐(2012年8月1日 - 2019年7月31日
廖財固(2019年8月1日-現職)

校歌



作詞:蘇恵鏗、作曲:羅耀国

大海蒼蒼 高山昂昂 榕橋交拱 翠映我黌宮

海濱華胄 鄒魯文風 徳智體群 兮多士陶溶

勤読書 守秩序 思斉往哲 光文沈公

愛吾國 愛吾民 台南一中無負鄭成功


著名な出身者



台南一中は、多くの著名な人材を輩出してきました。以下にその一部を紹介します。

陳水扁:元中華民国総統
陳錦芳:文化大使
郭伯嘉:国立台南第二高級中学校長
黄大洲:中国電視公司董事長、台北市元市長
黄昭堂:台湾独立連盟主席
簡明仁:大衆電脳集団董事長
頼明詔:中央研究院副院長
李安:映画監督
李鎮源:中央研究院院士
羅福全:元駐日代表
沈富雄:元立法委員
史欽泰:国立清華大学科技管理派学院院長
林信義:元行政院副院長、工研院董事長
蘇正平:中央通訊社董事長、公共放送社長、前行政院新聞局局長
王金平:立法院院長、現任中国国民党立法委員
楊祥發:中央研究院植物所通訊研究員
侯文詠:医師、作家
李嗣涔:元台湾大学学長
黄志芳:外交部部長
蘇俊雄:元司法院大法官
陳計男:元司法院大法官
施文森:元司法院大法官
王和雄:元司法院大法官
楊秋興:元高雄県県長
田弘茂:元外交部部長
許嘉棟:元財政部部長
邱義仁:国安会秘書長、総統府前秘書長
陳師孟:元中央銀行副総裁、台北市前副市長、総統府前秘書長
李明亮:元衛生署署長、前慈済大学学長
顔慶章:復華金控董事長、元財政部部長、元駐WTO代表
魏啓林:元行政院秘書長
夏特鈺:原能会主任委員
賀陳旦:中華電信董事長、元交通部次長
蔡文斌:元台南市副市長
周昌弘:中央研究院院士
楊逵:作家
張俊彦:国立交通大学学長
清原初男:元プロ野球選手

関連項目



台湾の高級中学一覧
旧台南庁長官邸 - 戦後、当校の教職員宿舎として使用されていた市定古蹟

外部リンク



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