土井利徳

土井利徳とは

土井利徳（どい としなり）は、江戸時代中期の大名で、三河刈谷藩の第2代藩主です。刈谷藩土井家5代当主にあたります。

生い立ちと藩主就任

寛延元年（1748年）に、陸奥仙台藩の第6代藩主・伊達宗村の三男として誕生しました。幼名は藤三郎、伊達家時代は淡路と称しました。実母は側室の佐野氏（蓮台院）です。刈谷藩の初代藩主・土井利信の実子たちが早世したため、利信の養子となり、明和3年（1766年）に家督を継承しました。翌年、従五位下・山城守に叙任されています。

藩主としての活動

利徳は、水戸徳川家や実弟の堀田正敦らと親交を深め、文化活動や茶道に熱心でした。しかし、その一方で藩政を顧みることが少なく、領民からは藩政をしっかり行い、文化活動への浪費を控えるよう度々嘆願されました。それでも態度は改まらず、天明2年（1782年）には領民による強訴が起こる事態となりました。

事態を重く見た利徳は、財政再建を中心とした藩政改革に取り組みましたが、結局失敗に終わります。失意の中、天明7年（1787年）に家督を長男の利制に譲り、隠居しました。

隠居後の生活と晩年

隠居後は、藩政には関与せず、松平定信、土井利厚（土井宗家当主）、溝口直道、横瀬貞臣、内藤正臣などの文化人と交流を深めました。文化2年（1805年）には剃髪して宗鋪と号しました。文化10年（1813年）、江戸にて66歳で死去しました。

系譜

実父：伊達宗村
実母：佐野氏（蓮台院）- 側室
養父：土井利信
正室：利紀 - 松平忠宜の娘
子女：
長男：土井利制 - 生母は利紀
次男：土井利謙
三男：土井利央
四男：土井利位
五男：土井利以
娘：信
娘：久喜 - 神尾元喬室
娘：登志
娘：筍

参考資料

『寛政重修諸家譜』
『仙台叢書 第一巻』（仙台叢書刊行会、大正11年（1922年）発行）

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