土佐豊祐哉

土佐豊 祐哉（とさゆたか ゆうや）

元大相撲力士の土佐豊祐哉は1985年3月10日、高知県土佐市で生まれました。本名は森下祐哉であり、愛称は「ゴリ」として親しまれています。彼は時津風部屋に所属し、身長178cm、体重144kgという堂々たる体格を持つ力士でした。得意技は右四つと投げで、最高位は2011年7月場所での東前頭筆頭。現在は時津風部屋の師匠として、相撲界の後進の育成に尽力しています。

人物・来歴

土佐豊は高知県立高知工業高等学校時代に高校横綱のタイトルを獲得し、東京農業大学へ進学。その学生相撲では4冠を達成するも、幕下付出対象のタイトルは手に入れられませんでした。2007年3月、彼は前相撲で初土俵を踏み、高知工業高卒業者として角界入りしたのは増健亘志以来です。

5月場所では序ノ口で6勝1敗を記録し、続く7月場所から11月場所まで、各段を連続優勝。2008年1月場所には東幕下4枚目で5勝2敗を達成し、前相撲から6場所での十両昇進を実現しました。この間、彼は30連勝を果たし、土佐豊はその連勝記録について「黒星が気を引き締めてくれた」と回顧しています。

2008年3月には新十両に昇進し、高知県からは栃煌山以来の快挙でした。初めの場所は不振が続いたものの、5月場所には幕下筆頭に戻り、翌7月場所で再び十両昇進を果たしました。その後は好成績を続け、自身初の幕内力士として、2009年7月には新入幕を達成しました。

相撲キャリアの変遷

土佐豊は、2010年1月場所にて初の2桁勝利を挙げたものの、2011年7月場所では膝の負傷により初めて途中休場を経験。翌9月場所には4勝11敗と大きく負け越し、これを受けて彼は一時的に十両に降下しました。この頃の土佐豊は、地元高知でのリハビリを経て、2013年3月に復帰。三段目を優勝して完全復活を遂げ、その後の場所でも好成績を収めました。

2015年1月、彼は再入幕を果たしますが、膝の問題が悪化し再び幕下に転落しました。2016年1月、日常生活に支障をきたす状態になり、現役を引退することを決意します。

引退後の活動

引退後、土佐豊は年寄「安治川」を名乗り、その後も多くの名跡を襲名しながら相撲界に貢献してきました。2016年2月に小泉エリとの結婚を発表し、その後、年寄名跡を「時津風」に変更し、部屋の師匠となりました。彼は、「いい雰囲気で部屋を運営していきたい」と語る一方で、支えられてきた周囲への感謝の気持ちも忘れていません。

取り口と相撲スタイル

彼の学生時代の取り口は豪快でしたが、大相撲入り後は苦労と努力を経て、低い立合いと両差しを用いる速攻相撲にスタイルを変更しました。しかし、膝の怪我によって本来の相撲が取れなくなり、葛藤を抱えるようになります。土佐豊は、「相手のしくじりを期待する自分が嫌だった」と、その時の心境を語っています。

エピソード

彼の四股名は土佐と祖父の戒名から取られており、独特なエピソードが多いです。卵アレルギーが発覚するなどの健康に関する出来事は、彼の人生に新たな色彩を加えました。

また、土佐豊は、自身の顔立ちがゴリラに似ていることから、化粧廻しにゴリラのイラストが描かれていると言われています。引退後も「土佐豊応援団」が多くのファンに支えられ、彼の人生は相撲界の伝説として語り継がれています。

主な成績

通算成績は294勝、255敗、71休であり、幕内在位は15場所。その実績をもって、土佐豊は相撲界で一世を風靡した力士として評価されています。

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