地球局

地球局とは

地球局とは、無線局の一種であり、総務省令電波法施行規則において「宇宙局と通信を行い、または宇宙にある物体を利用して通信を行うため、地表または地球の大気圏の主要部分に開設する無線局」と定義されています。

地球局の種類

地球局は、その利用目的や通信対象によって、さらに細かく分類されます。

海岸地球局: 陸上に開設され、人工衛星を介して船舶地球局と無線通信を行います。
航空地球局: 陸上に開設され、人工衛星を介して航空機地球局と無線通信を行います。
携帯基地地球局: 陸上に開設され、人工衛星を介して携帯移動地球局と無線通信を行います。
船舶地球局: 船舶に開設され、人工衛星を介してのみ無線通信を行います。
航空機地球局: 航空機に開設され、人工衛星を介してのみ無線通信を行います（実験局、アマチュア局を除く）。
携帯移動地球局: 自動車などの陸上移動体に開設され、または携帯して使用され、人工衛星を介して無線通信を行います。

これらの他に、電気通信業務を目的とする「VSAT地球局」や、その送信を制御する「VSAT制御地球局」も存在します。

地球局が担う業務

地球局が関わる主な業務は、以下の3つです。

海上移動衛星業務: 船舶地球局と海岸地球局間、または船舶地球局同士の衛星通信
航空移動衛星業務: 航空機地球局と航空地球局間、または航空機地球局同士の衛星通信
携帯移動衛星業務: 携帯移動地球局と携帯基地地球局間、または携帯移動地球局同士の衛星通信

これらの業務は、宇宙無線通信の一部として位置づけられています。

地球局の構成

地球局は、上記の通り、様々な種類が存在します。免許状の種別としては7種類に分類されますが、VSAT地球局とVSAT制御地球局を含めると、事実上9種類に細分化されます。これらの地球局は、それぞれ海上移動衛星業務、航空移動衛星業務、携帯移動衛星業務といった宇宙無線通信の業務を担っています。

地球局の概要

地球局は、宇宙局（人工衛星局を含む）と通信を行う無線局であり、その役割は多岐にわたります。他の地球局との通信だけでなく、人工衛星の制御も含まれます。広義には宇宙無線通信に関わる無線局全般を指しますが、狭義には、海上移動衛星業務、航空移動衛星業務、携帯移動衛星業務以外の、陸上に固定された無線局や陸上のみを移動する無線局を指します。

地球局の実際

実際に免許される地球局には、VSAT地球局やVSAT制御地球局が含まれます。VSAT制御地球局は、いわゆるHUB局として機能し、VSAT地球局はSNG中継車などが代表例です。VSAT以外の地球局は、陸上移動業務における基地局や陸上移動局に相当します。地上局と呼ばれる基地局は、地上の通信網との接続設備も併設しています。

地球局の免許

電波法により、外国籍の者には原則として無線局の免許は与えられませんが、電気通信業務を目的とする場合は例外として認められます。地球局の種別コードはTCですが、VSAT地球局はTS、VSAT制御地球局はTTです。免許の有効期間は原則5年ですが、包括免許以外は、当初4年を超え5年以内の11月30日までとなります。

地球局の用途

地球局は、そのほとんどが電気通信業務に利用されています。特にVSAT地球局とVSAT制御地球局は、電気通信業務専用です。

地球局の局数

電気通信業務用VSAT地球局は特定無線局として包括免許され、免許状に記載された指定局数は開設可能な上限を示します。

旧技術基準の機器の使用

技術基準改正により、旧技術基準に基づく無線設備の使用期限は、コロナ禍の影響で「当分の間」延期されました。

地球局の運用

地球局の運用は、無線局運用規則第9章「宇宙無線通信の業務の無線局の運用」に従います。特に静止衛星を制御する地球局は、混信防止に関する規定を遵守する必要があります。

地球局の操作

地球局は、原則として陸上系の無線従事者による管理が必要ですが、一部の簡易な操作は無線従事者を必要としません。例えば、包括免許された地球局の通信操作や、VSAT地球局の外部転換装置の操作などです。

必要な無線従事者の資格は、地球局の種別や用途によって異なります。VSAT地球局は不要ですが、VSAT制御地球局の操作は第二級陸上特殊無線技士以上の資格が必要です。

地球局の検査

VSAT地球局は落成検査が免除されますが、その他の地球局は、登録検査等事業者による点検が可能です。定期検査は、VSAT地球局以外に行われ、周期は用途によって1年または5年です。変更検査は、落成検査と同様の扱いとなります。

地球局の沿革

地球局の定義は、時代の変化と共に改正されてきました。初期は「地球の表面上にある無線局」と定義されていたものが、宇宙開発の進展に伴い、人工衛星との通信を担う無線局へと変化しました。VSAT地球局の定義や、外国籍の者が地球局を開設できるようになったことなど、法改正による変化も多くあります。

まとめ

地球局は、宇宙通信を支える重要なインフラであり、技術の進歩や社会の変化に合わせてその役割や運用が変化してきました。今後も、その重要性は増していくと考えられます。

脚注

関連項目：
無線局
宇宙局
人工衛星局
地上局
外部リンク：
総務省[電波]]利用ホームページ [https://www.tele.soumu.go.jp/
* 人工衛星局及び地球局の開設手続き（免許関係） https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/equ/index.htm

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