地蔵院 (徳島市)

地蔵院の概要

地蔵院は徳島県徳島市名東町に位置し、眉山の山麓にある真言宗大覚寺派の別格本山です。この寺院は新四国曼荼羅霊場の第75番札所、阿波六地蔵霊場の第2番札所としても知られています。山号は如意山で、本尊は延命地蔵菩薩です。また、地蔵院には別名として聖幢寺という名称もあります。眉山には、巡礼道の一つである地蔵越が存在し、訪れる人々に親しまれています。

本寺院には美しいご詠歌もあり、次のように詠まれています：

「もろびとの　願いをかなう　地蔵尊　みどりの山の　ふところにして」

歴史

地蔵院の創建は平安時代初期の弘仁年間（810年 - 824年）にさかのぼります。弘法大師こと空海が四国を巡る際、ある女性の安産を祈願して地蔵菩薩を安置したことが始まりと言われています。江戸時代には、地蔵院は徳島藩から厚く保護され、藩主の蜂須賀家の安産祈願の場となりました。現在でも安産を願う参拝者が訪れる光景が見受けられます。

享保8年（1723年）には本堂を含む伽藍が完成し、さらに明治5年（1872年）には聖幢寺として知られたこの寺院が廃寺となり、後に今の地蔵院に改名されました。

地蔵院池

地蔵院には「地蔵院池」という名の放生池があります。この池は江戸時代に藩主の船遊びの場として利用されていました。現在も、その船の屋形船が寺院内で保管され、寺の宝とされています。池はバス釣りの名所としても知られ、休日には多くの釣り人が集まります。また、四季折々の美しさを楽しめるよう、周辺には桜が多数植えられており、春には花見を楽しむ人々で賑わいます。

穴不動古墳

地蔵院の境内には、直径約20メートルの円墳である穴不動古墳が存在します。この古墳は7世紀中頃、古墳時代末期から飛鳥時代にかけて築かれたと推定され、地域の豪族の墓であると言われています。横穴式石室を持ち、南西を向いて開口しています。石室の大きさは、全長9.3メートル、羨道は長さ4.3メートル、幅2メートル、高さ1.8メートル、玄室は長さ4.3メートル、幅2.2メートル、高さ2メートルで、青石と呼ばれる結晶片岩で作られています。この古墳は、地蔵院の北西に位置し、尾根の斜面を削って造営されました。2002年には重要な遺跡として指定されました。

前後の札所情報

地蔵院は新四国曼荼羅霊場の第75番札所です。前後の札所には以下があります：

• - 74番：宝蔵寺
• - 75番：地蔵院
• - 76番：観音院

また、阿波六地蔵霊場における位置関係は次の通りです：

• - 01番：地福寺
• - 02番：地蔵院
• - 03番：東照寺

地蔵院は、歴史と自然が調和する特別な寺院であり、訪れる人々に安らぎと癒しを提供しています。

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