坂上当道

坂上当道（さかのうえ の まさみち）

概要

坂上当道は平安時代初期から前期にかけて活動した貴族であり、その名は歴史書でも多く見られます。父は右兵衛督であった坂上浄野または坂上広野とされている。彼の官位には従五位上や陸奥守が含まれています。

経歴

当道は承和年間に内舎人として朝廷に仕え、まずは右近衛将監や、左兵衛・左衛門の両府の大尉を経て、文徳朝の斉衡2年（855年）には従五位下に叙爵され、右衛門佐としての任命を受けました。

天安元年（857年）、彼は左近衛少将に任じられ、その翌年には備前権介、次いで備前介の職務を兼任します。同時期、彼は右近衛少将の藤原有貞と共に、京にいる群盗の追捕に努めました。

後の清和朝においては、彼は東国の経営に従事し、貞観元年（859年）には陸奥守に任じられた他、鎮守府将軍や常陸權介も兼ねることとなります。しかし、前任の陸奥守との解由が遅れ、貞観3年（861年）に公廨を没収されることがありました。国守の任期が終わった後も陸奥国に約9年間留まり、貞観9年（867年）に54歳で卒去しました。

当道は坂上氏の重要な拠点である摂津国住吉郡平野庄の経営にも関与していたとも言われ、杭全神社の伝承によると、彼はこの地に住み、坂上氏の家督を継ぎ、素盞嗚尊を勧請して祇園社を創設したとされています。

人物像

当道は若い頃から弓術に秀でており、大射の礼において五位以上の射手が不足した際には、内舎人としてまだ五位に達していなかったにも関わらず、特別に加えられたエピソードがあります。武事に対する優れた才覚と熱意を持っていました。

また、彼は検非違使の任についていた際には、平等な処断を心掛け、道理に背く者には権力者であっても厳正に対応しました。彼の家行は非常に廉正であり、義を重んじる姿勢がありました。任に当たっては「清理」と称され、支配地域は秩序が保たれており、蝦夷の民衆からも満足の声が聞かれました。彼の死後、亡骸は布衾一条のみで棺に納められたという逸話が残されています。

官歴

当道の官歴は『六国史』による以下の通りです。

• - 承和年間：内舎人
• - 不詳：右近衛将監、左兵衛大尉、左衛門大尉、正六位上
• - 斉衡2年（855年）1月7日：従五位下、1月15日：右衛門権佐、日付不詳：検非違使佐
• - 天安元年（857年）：左近衛少将
• - 天安2年（858年）2月5日：兼備前権介、5月21日：兼備前介
• - 貞観元年（859年）1月13日：陸奥守、1月16日：兼鎮守府将軍、5月19日：兼常陸権介、11月19日：従五位上
• - 貞観2年（860年）2月14日：兼上総権介
• - 貞観9年（867年）3月9日：卒去（前陸奧守従五位上）

系譜

坂上当道の家族については、父が坂上浄野または坂上広野、また息子に坂上恒蔭や坂上好蔭がいます。具体的な母や妻の情報は不詳です。

参考文献

- 森田悌『続日本後紀 （下）』講談社

- 武田祐吉、佐藤謙三訳『読み下し 日本三代実録 上巻』戎光祥出版

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