坂下町 (岐阜県)

坂下町の概要

坂下町（さかしたちょう）は、かつて岐阜県恵那郡に存在した町で、2005年2月13日に周辺の6町村と共に中津川市へ編入合併されました。この地域は、豊かな自然に恵まれ、木曽川沿いの山間部という地理的特徴を持っています。歴史的には、鎌倉時代から戦国時代にかけて苗木遠山氏の領地であり、江戸時代には苗木藩の領地として発展しました。また、坂下町は、美しい自然景観、地域独自の文化、そして数多くの著名な出身者を輩出したことでも知られています。

地理

坂下町は、岐阜県の南東部、長野県との県境に位置しており、木曽川が町を流れています。町の地形は、山間部であるため起伏に富んでおり、特に河岸段丘が特徴的です。町内を流れる川上川は、町の北から南へと貫流し、木曽川に注いでいます。また、阿寺断層が町を横切っており、断層崖と河岸段丘が織りなす独特の景観を形成しています。

山:
高峰山

河川:
木曽川
川上川

湖沼:
椛の湖

小字

坂下町には、多くの小字が存在していました。以下に主なものをいくつか紹介します。

大字: 坂下
相沢, 赤田, 新谷
井汲
上鐘
大岩, 大沼
上新田, 上外, 上高辺, 握, 上原, 樺の木
切田
氷坂, 小田, 小田垣戸
下島, 下平, 島, 島井田, 島平, 下新田, 下高辺, 下握, 松源地, 新田
大門, 高峰平, 高峰山, 谷
樋ヶ沢, 道垣外, 時鐘, 徳野
長坂, 中之垣外, 中原, 成栗
西高辺
二股
法力屋, 保ヶ山, 梵字, 掘懸
前平, 町平
宮ノ前
向山, 向立岩
八幡, 矢渕
横吹
和合

廃止された小字
一西高部, 二西高部

大字: 上野
大沼
上小野沢, 上呉川, 上外, 上中尾, 神ノ木
黒沢
下小野沢, 下呉川, 下外, 下中尾
西田
椛ノ木
丸根
山田

歴史

坂下町の歴史は古く、鎌倉時代初期から戦国時代末期まで、この地域は苗木遠山氏の領地でした。江戸時代には苗木藩の領地となり、坂下三郷として発展しました。明治時代に入ると、廃仏毀釈の影響を受け、地域内の寺院が廃止されるなど、大きな変革を経験しました。その後、町村制の施行により坂下村が発足、1911年には町制を施行して坂下町となりました。

行政区画の変遷

1889年（明治22年）7月1日：町村制施行により、坂下村、上野村、川上村が合併し、恵那郡坂下村が発足。
1905年（明治38年）7月1日：坂下村から川上村が分離。
1911年（明治44年）1月1日：坂下村が町制を施行し、坂下町となる。
2005年（平成17年）2月13日：周辺6町村と共に中津川市へ編入合併。

経済

坂下町の主な産業は、農業、林業、木工業です。特に、周囲の山々で産出される檜は「東濃ひのき」として知られ、建築材として広く利用されています。豊かな森林資源が、町の経済を支えていました。

教育

小学校
坂下町立坂下小学校：校歌がモザイクタイルで描かれた特徴的な学校。
坂下町立上野小学校（1971年廃校）

中学校
坂下町立坂下中学校

高等学校
岐阜県立坂下高等学校

交通

鉄道
JR東海 中央本線：坂下駅
坂川鉄道：1926年開業、1956年廃止（戦時中は坂下森林鉄道）

道路
国道256号
岐阜県道3号福岡坂下線
岐阜県道6号中津川田立線
岐阜県道419号坂下停車場線

長距離自然歩道
中部北陸自然歩道

名所・旧跡・観光スポット

坂下神社
出雲福徳神社
蔵田寺：曹洞宗の寺院、1909年に移築。
椛の湖：1969年から1971年まで全日本フォークジャンボリーの会場。

祭事・催事

坂下花馬祭り：毎年10月第2日曜日に開催される伝統的な祭り。
椛の湖そばの花まつり：毎年9月下旬に開催される、蕎麦の花が美しい祭り。

著名な出身者

すぎやまこういち：作曲家（青年時代に疎開）
糸魚川淳二：古生物学者
伊藤潤二：漫画家
市川笑三郎（三代目）：歌舞伎俳優
恵那櫻徹：大相撲力士
末松安晴：通信工学者
林実利：修験者

隣接していた自治体

中津川市
恵那郡福岡町
恵那郡川上村
長野県木曽郡南木曽町
長野県木曽郡山口村

関連項目

岐阜県の廃止市町村一覧
坂下町 (曖昧さ回避)

外部リンク

坂下町商工会
坂下町ホームページ（2005/05/20アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project

もう一度検索