塩基性岩

塩基性岩について

塩基性岩（えんきせいがん、英: basic rock）とは、岩石を構成する主要成分である二[[酸化ケイ素]]（SiO2）の含有量が、重量パーセントで45%から52%の範囲にあるものを指します。この「塩基性」という言葉は、化学の分野で使われる意味とは異なり、岩石学における特有の分類概念です。

塩基性岩の定義

塩基性岩は、その化学組成によって定義されます。具体的には、二[[酸化ケイ素]]の含有量が上記範囲にあるものを指しますが、これは岩石を構成する鉱物の種類や量にも影響を与えます。塩基性岩は、一般的に苦鉄質鉱物（マフィック鉱物）を多く含み、色が暗い傾向があります。

苦鉄質岩との関係

苦鉄質鉱物（マフィック鉱物）と珪長質鉱物（フェルシック鉱物）の量比によって定義される苦鉄質岩（マフィック岩）は、塩基性岩と非常に近い概念です。両者はしばしば同義として扱われることもありますが、定義が異なります。苦鉄質岩は、特定の鉱物組成に重点を置いた分類である一方、塩基性岩は二[[酸化ケイ素]]の含有量に基づいた分類です。したがって、両者は必ずしも完全に一致するわけではありません。

主な塩基性岩

塩基性岩に分類される主な岩石には、以下のようなものがあります。

玄武岩：火山岩の一種で、比較的急冷してできた岩石です。黒色または暗灰色を呈し、緻密な組織を持っています。
斑レイ岩：深成岩の一種で、マグマが地下深くでゆっくりと冷却・固化してできた岩石です。粗粒で、肉眼でも鉱物を識別しやすい特徴があります。
閃緑岩：深成岩の一種で、斑レイ岩と同様に地下深くで形成されますが、鉱物組成がやや異なります。

これらの岩石は、地球の地殻やマントルを構成する主要な要素であり、地球科学の研究において重要な役割を果たしています。

その他の関連する岩石

塩基性岩の他に、岩石は二[[酸化ケイ素]]の含有量によって、超塩基性岩、中性岩、酸性岩にも分類されます。また、鉱物組成によって、超苦鉄質岩、苦鉄質岩、中間質岩、珪長質岩にも分類されます。これらの分類は、岩石の成因や性質を理解する上で非常に重要です。

塩基性の概念について

岩石学における「塩基性」という言葉は、化学における酸塩基の概念とは異なることに注意が必要です。岩石学では、二[[酸化ケイ素]]の含有量に基づいて岩石を分類し、その分類名として「塩基性」という言葉が用いられています。

まとめ

塩基性岩は、二[[酸化ケイ素]]の含有量が45%から52%の範囲にある岩石であり、苦鉄質岩と密接な関係を持つ岩石です。地球を構成する主要な要素であり、その種類や成因を理解することは地球科学の基礎となります。

参考資料

都城秋穂、久城育夫『岩石学II - 岩石の性質と分類』共立出版〈共立全書〉、1975年、6-8・63-70頁。ISBN 4-320-00205-9。
黒田吉益、諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、230-232・251-257頁。ISBN 4-320-04578-5。
山崎貞治『はじめて出会う岩石学 : 火成岩岩石学への招待』共立出版、1990年、85頁。ISBN 4-320-04623-4。

外部リンク

“岩石の分類”. 石の博物館. 広島大学. 2011年6月6日閲覧。
藤田崇. “深成岩の特性とその見方”. 実務者のための岩石肉眼鑑定法. 斜面防災対策技術協会. 2011年6月6日閲覧。

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