大伴三依

大伴 三依（おおとも の みより）

大伴三依は奈良時代の貴族であり、優れた歌人でもあります。彼の名は、他の文献では御依とも書かれることがあるようです。大伴御行の子として生まれ、さまざまな官職を歴任しながら、文才を磨いたことで知られています。

経歴

大伴三依は、天平元年（729年）頃に賀茂女王から贈られた和歌の内容からも、さまざまな活動を行っていたことが想像されます。この時期は神亀年間から天平の初頭にかけてであり、大宰帥の大伴旅人と共に筑紫に赴いていたとされています。

聖武天皇の時代の末期、天平20年（748年）には、従五位下に叙爵され、影響力を増していきます。孝謙天皇の朝では、主税頭や三河守などの重要な役職を担当しました。一方、淳仁天皇の時代にも仁部少輔や遠江守、義部大輔を歴任し、天平宝字3年（759年）には従五位上に昇進し、その後も地位を上げ続けます。

称徳朝の初めにあたる天平神護2年（766年）には出雲守に任命され、地方官としての活動を開始しました。宝亀元年（770年）には、光仁天皇の即位と共に従四位下に昇叙され、官職におけるキャリアはますます充実していきます。しかし、宝亀5年（774年）5月25日に彼はこの世を去り、最終的な官位は散位従四位下でした。

歌人としての足跡

大伴三依は、歌人としても重要な人物であり、その作は『万葉集』に4首収められています。この歌集は、当時の風俗や人々の感情を伝える貴重な資料とされています。また、同じく『万葉集』に収められている大伴三林という人物を三依と同一視する説も存在しますが、詳細は不明です。

官歴

彼の官職の履歴は、『続日本紀』に記載されており、以下のような経歴を持っています。

• - 時期不詳：正六位上
• - 天平20年（748年）2月19日：従五位下
• - 天平勝宝6年（754年）7月13日：主税頭
• - 天平勝宝9年（757年）6月16日：三河守
• - 天平宝字3年（759年）5月17日：仁部少輔

6月16日：従五位上
11月5日：遠江守

• - 天平宝字6年（762年）4月1日：義部大輔
• - 天平神護元年（764年）1月7日：正五位上
• - 天平神護2年（766年）10月8日：出雲守
• - 宝亀元年（770年）10月1日：従四位下
• - 宝亀5年（774年）5月25日：卒去（散位従四位下）

まとめ

大伴三依は、歌人としての功績と官職における経歴の両方で重要な役割を果たした人物です。彼の短歌は今なお日本文学の中で評価され、奈良時代の文化や歴史を知る上で欠かせない存在となっています。

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