大伴小薩

大伴小薩について

大伴小薩（おおとも の こさち）は、奈良時代に活躍した日本の貴族であり、その生年は不明です。彼は天平宝字8年9月18日（764年10月17日）に命を落としました。小薩は、姓を宿禰とし、名は古薩とも記されています。当時の彼の官職は、従五位下の武部少輔であり、一定の地位を持った貴族であったことが伺えます。

経歴の始まり

小薩の政治的なキャリアは、淳仁天皇の時代に本格的に始まりました。天平宝字7年（763年）の正月には、笠不破麻呂、藤原継縄、紀広純、藤原蔵下麻呂、藤原執棹と共に従五位下に叙爵され、武部少輔に任命されました。この昇進は、彼が当時の貴族社会において重要な役割を果たしていたことを示しており、また、同じく武部卿に藤原永手が任官されたことから、当時の政治の変革にともなう動きも感じ取れます。

藤原仲麻呂の乱

しかし、その政治的なキャリアは、藤原仲麻呂の乱によって大きな転機を迎えます。天平宝字8年（764年）9月に起こったこの乱において、小薩は仲麻呂側に加担しました。この選択は、彼の運命を大きく左右しました。乱の結果、藤原仲麻呂側は敗北し、その後、小薩は同月18日に斬殺されてしまいます。 藤原仲麻呂の乱は、奈良時代の重要な歴史的事件であり、この事件を通じて当時の権力闘争や貴族社会の様子がうかがえます。

官歴

大伴小薩の官歴については、『続日本紀』に詳しく記されています。以下に彼の官職の変遷を示します。

• - 時期不明：正六位上
• - 天平宝字7年（763年） 正月9日：従五位下、武部少輔
• - 天平宝字8年（764年） 9月18日：卒去（藤原仲麻呂の乱）

小薩はその短い生涯の中で、名称と役職が歴史に刻まれました。彼は貴族としての地位を持ち、政治の重要な場面にかかわりましたが、運命の逆境によって悲劇の報いを受けました。彼の死は、当時の貴族社会における権力争いの厳しさを如実に物語っており、歴史の一ページを飾る出来事となっています。

参考文献

さらに詳しい情報については、宇治谷孟『続日本紀 （中）』の講談社学術文庫に目を通すことで、小薩やその時代背景についての理解が深まることでしょう。

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