大山綱昌 (官僚)

大山綱昌について

大山綱昌（おおやま つなまさ）は、嘉永6年11月24日（1853年12月24日）に生まれ、昭和9年（1934年）10月18日に没した日本の官僚、政治家、警察官、陸軍軍人です。貴族院議員、錦鶏間祗候であり、位階は正三位、勲等は勲二等を授与されています。彼は、佐賀県、山梨県、長野県、岡山県の4県の知事を務めたことで知られています。

生い立ちと初期の経歴

大山綱昌は、薩摩国鹿児島郡鹿児島近在西田村（現在の鹿児島県鹿児島市）で、鹿児島藩士である大山探賢の長男として生まれました。幼名は勘助といいました。明治維新後、1875年（明治8年）に警視庁に13等出仕として勤務を始めました。その後、1877年（明治10年）には陸軍中尉に任官し、西南戦争に出征しました。陸軍では憲兵大尉まで昇進し、その後一等警視補に転じました。

官僚としての活躍

その後、大山綱昌は農商務省に移り、権少書記官、書記官、参事官、工務局次長、商工局次長、権大書記官といった要職を歴任しました。官僚として、日本の産業や経済の発展に貢献しました。

知事としての実績

1896年（明治29年）8月には、佐賀県知事に抜擢され、その後1903年（明治36年）2月には山梨県知事に異動しました。さらに、1905年（明治38年）9月には長野県知事、1911年（明治44年）7月には岡山県知事を歴任し、それぞれの県政において、その手腕を発揮しました。各県の発展に尽力し、地方行政の基盤を築きました。

晩年と貴族院議員

1914年（大正3年）4月7日には、錦鶏間祗候を仰せ付けられ、1919年（大正8年）1月27日には貴族院議員に勅選されました。貴族院では交友倶楽部に属して活動し、その生涯を閉じるまで議員を務めました。

栄典

大山綱昌は、その功績により以下の位階と勲章を授与されました。

位階
1886年（明治19年）7月8日 - 従六位
1896年（明治29年）9月21日 - 正五位
1897年（明治30年）10月30日 - 従四位
1908年（明治41年）4月20日 - 正四位
1913年（大正2年）5月10日 - 従三位
1913年（大正2年）8月20日 - 正三位
勲章
1885年（明治18年）11月19日 - 勲五等双光旭日章
1906年（明治39年）4月1日 - 勲三等旭日中綬章

親族

大山綱昌の親族には、以下のような人物がいます。

父: 大山探賢（守三、?-1867） - 薩摩藩お抱え絵師。絵師・大山等雪の子であり、狩野探淵守真の門人でした。
弟: 神原伊三郎（1858-?） - 大蔵省を経て日本鉄道会社運輸課参事を務めました。工部大学校を卒業し、その子に神原泰、神原周がいます。また、娘婿に大関増徳二男の大関釥がいます。
前妻: 栄 - 建築家山下啓次郎の姉です。
後妻: 徳 - 山下啓次郎の妹です。
親戚: 山下洋輔 - 山下啓次郎の孫です。

その他

大山綱昌は、陸軍元帥の大山巌と同姓同名ですが、直接的な血縁関係はありません。彼は、官僚、政治家、警察官、陸軍軍人として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に貢献した人物として知られています。

参考文献

『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
『日本人名大事典』第1巻、平凡社、1979年（『新撰大人名辞典』（昭和12年刊）の改題複製）。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
『山梨百科事典』増補改訂版、山梨日日新聞社、1989年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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